国産もいいですが、シングルモルトのスコッチからウイスキーにハマりませんか?
海外賞レースでの好成績やNHK朝の連続テレビ小説『マッサン』などのトピックから火がついた国産ウイスキー人気。それ自体は喜ばしいことですが、人気ゆえに国産モノは品薄状態が続いているみたい……。
ここでは、国産ではなく「スコッチウイスキーのシングルモルト」を紹介したいと思います。
スコッチといえば世界のウイスキー生産量の7割を占めると言われる産地。なかでもシングルモルトは、大麦麦芽のみを使用し、一つの蒸溜所のみでつくられたウイスキー。つまり、蒸留所の個性や魅力が反映されやすく、これからウイスキーを嗜もう!という人にピッタリです。
セレクターは、 この方。自らのコレクションから珠玉の5本を選んでくれました。
早川哲朗プロデューサー / DJ / オイスターマイスター2000年頃よりウイスキーを嗜み、2007年からはシングルモルトウイスキーに傾倒。所有するウイスキーは、中熟のシングルカスク(=樽出し)を中心に300本以上。スコットランド渡航暦5回、訪ねた蒸留所は45箇所以上にのぼる筋金入りの愛好家。
「まず1本!」なら
このあたりはどうでしょう?
スキャパ スキレン(オフィシャル)
お値段:6,000円前後
「スコットランド北部オークニー諸島のカークウォールにあるスキャパ蒸留所から最近リリースされた新ラインナップです。
一般的に有名というほどではありませんが、多くのバーに置いてあるので外でもチャレンジしやすい銘柄ですね。
ピートによるスモーキーな香りや塩っぽさのバランスがよいのが特徴で、ピート以外にもシリアルやスミレなどの花の香り、味はバニラを中心にクリーミーでシルキーなやさしい味わい……全体的に軽やかですよ」
オルトモア 1992 (インプレッシブ・カスク)
お値段:6,000円前後
「スコットランドでも、蒸留所が密集する地域であるスペイサイド・キース北部のオルトモア蒸留所で、1992年に蒸留された日本限定シングルカスクウイスキーです。
口をつけた瞬間『これがウイスキー!?』と先入観を覆してくれるはず。それだけ、豊潤さと甘みを感じられます。カクテルが好きという女性にも受けそうです。
香りは蜂蜜やバニラ、少し和菓子っぽい甘みも感じます。味はパイン、蜂蜜に加えて、グレープフルーツのわたのような苦味も」
肉料理と一緒に楽しむなら
この1本を!
ベンリアック 12年
シェリーウッドフィニッシュ(オフィシャル)
お値段:5,000円前後
「人気の高いベンリアック蒸留所から。余談ですが、ここは『マッサン』こと、ニッカの創業者竹鶴正孝氏が修行したロングモーン蒸留所のお隣さんです。こちらは、6年ほど前にファーストリリースされて以来、ファンの間では“最強のコスパモルトのひとつ”として認知されている銘柄です。
オロロソ(=ぶどう品種)とペドロヒメネス(=ぶどう品種)という性格の異なる2つの樽で寝かせた原酒を混ぜて瓶詰めされているため、赤ワインを彷彿とさせる複雑味が魅力。『肉料理には赤でしょう』と思っている人にぜひ試してもらいたい1本です。
味わいは、濃いチョコレートに軽やかなペドロヒメネスの甘さが引き立っています。このあたりも肉の旨みとの相性の良さでしょうね」
魚料理に合わせるなら
こちらで!
グレンドロナック ピーテッド (オフィシャル)
お値段:5,000円前後
「蒸留所が点在するスペイサイドにほど近いハントリー郊外の蒸留所から。こちらは、シェリー樽熟成のウイスキーで有名です。
同じスモーキーでも、ピートの香りよりもシェリーの香りが強く、甘みと苦味が感じられるので、そのあたりも面白みのひとつですね。
とくに白身魚や焼き魚などと一緒に楽しむと、塩気が加わり、甘み+苦味+塩味の絶妙なコンビネーションが味わえるはずですよ」
スイーツと合うウイスキー!?
甘党の人も試してみて
ザ・グレンリベット ナデューラ(オフィシャル)
お値段:6,000円前後
「一時は『グレンリベット』と名前をつければ売れると言われたほど、味、知名度ともに人気のある蒸留所です。
通常加水されて出荷されるウイスキーですが、水を加えずカスクストレングス(=樽出し)で出荷されているのが特徴です。
蜂蜜やバニラの香りで、味はバナナや朝のシリアル、夏の果実のさっぱりとした甘みを感じます。その味わいは、カカオ濃度の高いチョコレートと絶妙ですよ」
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