正月に飲む日本酒=お屠蘇(おとそ)じゃないって、知ってました?

今、「お屠蘇(おとそ)」がただのお酒じゃないということを、どれくらいの人が知っているのか気になっています。

 

私はてっきり、お正月に飲む日本酒=「お屠蘇」だと思っていたのですが、きっと同じように思っている人も少なくないのでは。いやきっと大体の酒飲みは、私と同じ認識でいたはず(しかも、お屠蘇は縁起がいいお酒だからいくらでも飲んでいい、たくさん飲むことにより邪気が払われるんだ!わはは!みたいな認識……ですよね?)。

 

それがですね、先日神奈川県大船にある杉本薬局の三代目・杉本格朗さんの某イベントにお伺いした時に、お屠蘇の意外な真実が明らかになったのです。

お屠蘇って、「薬膳酒」
だったのか!

©2019 NEW STANDARD

お屠蘇は、屠殺の「屠(と)」に、蘇ると書きますが、これは、一年の邪気を払って、新しい年を健やかに過ごせますようにという意味。そんな思いが込められているお酒を、日本では元日の朝、おせちをいただく前に、家族の年少者から順番に飲んでいくという習しがあります。元は中国から伝わって、日本では皇族などの風習になり、のちに庶民に伝わったとも言われています。

ここからが大事なんですが、このお屠蘇、じつは「屠蘇散(正式名称は屠蘇延命散)」という漢方で作るお酒(薬膳酒)なのです。

お正月の前日、12月31日の大晦日に、日本酒かみりん、またはその両方を合わせたものに、漢方の素材を数種類ブレンドしたものを漬け込んで、一晩おく。これが、本来のお屠蘇なのだというのです。

漬け込む漢方素材は作る人によってさまざまなのですが、山椒、桔梗、乾姜(ショウガ)、防風、白朮、丁子(クローブ)、桂皮(シナモン)などが基本。それを元に、薬局独自で生薬をブレンドしたものを作っているところもあるとか。オリジナルのお屠蘇が作れるワークショップが開かれることもあります。

ちなみに薬局では、「屠蘇散」という形で一袋300円ほどで売られています。

「ラム」でも「ウイスキー」でも
なにで作ってもいいと思います

©2019 NEW STANDARD

薬局などで売られている屠蘇散は、大体このようにティーパックに入った形になっているのでそのまま漬け込めばいいのですが、杉本さん曰く、日本酒があまり得意でないという人は、ラムやウイスキー、ジンなどに漬け込んで作ってみるのもいいのでは、とのこと。

以前伺ったイベントでも、スコットランドのスコッチ・ウイスキー蒸留所、WOLFBURN(ウルフバーン)のウイスキーに、ヨモギやナツメなど、杉本さんがオリジナルでブレンドした漢方素材を漬け込んだ薬膳酒を飲ませていただいたのですが、これが意外なことにかなりの美味。そこは杉本さんのブレンドセンスと、漬ける塩梅も素晴らしかったのだと思うのですが、WOLFBURNの最高責任者・アンドリューさんも大絶賛、私もおかわり2杯。

だからきっと、ウイスキーで作るお屠蘇も美味しいはず。

ちなみに、スコッチ・ウイスキー自体も、昔はスコットランドの修道院で「薬酒」として作られ、飲まれていたんだそうですよ。



さてさて、そんなわけで今回お屠蘇の真実を知ったからには、是非とも屠蘇散をゲットして、12月31日に自分で漬け込んだお屠蘇で新年を迎えてみてほしいと思います。

現代に伝わる昔ながらの風習には、どれもそれをする意味が込められているもの。若い世代もそういったことを知り、大切にして暮らしていくのは、なかなかカッコイイことだよなあと思います。

Top image: © 2019 NEW STANDARD

関連する記事

「日本酒は体にいい」古くからそう言われてきたように、米と水からつくられるお酒には、日本酒由来の成分があります。「shu re」はそこに着目。
お店で提供しているようなペアリングや日本酒のアレンジは、自宅で簡単に再現できる?
日本酒の温度帯の変化を自在にコントロールする「酒器」と「冷温機」のセットアップが登場。
「世界で飲まれる日本酒づくり」をコンセプトにしている、山形発の酒造メーカー「WAKAZE」。この度、パリに酒造を新設します。
この記事では、『恐ろしいほど人の本音がわかる!大人の心理テスト』から友達や恋人と盛り上がれる面白い心理テストを3つ厳選してご紹介します。簡単にできる心理テ...
スコッチウイスキー「シーバスリーガル」の樽で日本酒「満寿泉」を熟成させ、ブレンドした「リンク 8888」。ホリデーシーズンのパーティや宴で、お世話になった...
9年連続ミシュラン1ツ星を獲得するシェフが「野菜とマリアージュする酒」と表現する「惣誉 生酛仕込 純米大吟醸」。実家の親に大人としての成長を感じさせるのも...
着物の襟からおっぱいポロリしている女性のイラストが描かれた、“ちょっとエッチな日本酒”「ゆきおんな」。この冬限定で、12月15日から販売中。
本物のお酒が入ったBoozy Soaps。一つひとつ手作りされていて、バーボン・ウイスキーなどのお酒のほか、ローズマリーの葉やクランベリーの種といった天然...
純米酒からピュアなアルコール分だけを抽出する、「低温浄留」という独自の特許製法によってつくられた「浄酎」に無農薬レモン「ミカドレモン」の皮で香り付けした新...
「スノーピーク」が体験型グランピング施設「snow peak glamping ​TOKUSHIMA KOMATSUSHIMA」を今週4月16日(金)にオ...
ここのところ、家飲みには欠かせなくなってしまった日本酒。酒蔵を巡るのも好きだけど、もっと試飲がたくさんできたらいいのにな〜と思ってたら、埼玉の川越市にある...
10月1日「日本酒の日」に、オンラインで全国一斉に乾杯をするイベント「全国一斉 日本酒で乾杯!2020」」が実施される。
結成25周年を迎え、10枚目となるアルバム『メディスン・アット・ミッドナイト』のリリースを控えるフー・ファイターズが、オリジナルの日本酒を発売することを発...
ここは、カクテルを飲む習慣がない人にこそ行って欲しいお店。恵比寿の名店「Bar TRENCH」です。このお店のメニューには、ジントニックやモヒート、マンハ...
全国約70蔵約500種類の日本酒が一堂に集結する「日本酒まつり」が、来週24日(木)から5日間、東京「日本橋高島屋」で開催される。
日本各地の女性蔵元、女性杜氏の手による日本酒。市松模様が施されたスタイリッシュなラベルからも、女性ならではのセンスや繊細さが感じられます。それなのに、「男...
平成元年に醸造された熟成酒が平成最後の年に満を持して登場!
佐賀県の情報発信プロジェクト「サガプライズ!」は、「atmos」とコラボし、佐賀県の日本酒をフィーチャーしたオリジナルグッズを展開。 ストリートカルチャー...
「日本酒蔵組合中央会」が、業界初の試みとして「日本酒」をテーマにした動画作品を募集中。

おすすめ記事

3月16日、軽井沢にほど近い御代田町に新たなラグジュアリーホテル「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」が開業。すでに予約を受付中。
埼玉県、名栗エリアの北欧文化を体験できる施設「Nolla naguri(ノーラ名栗)」が、グランピングエリア開業にともない2021年4月29日(木)にグラ...
大分県の景勝地、耶馬渓に3日間限定でが「耶馬溪トンネルホテル」がオープン。客室となるのは道路に設置されたキャンピングカー。トンネル内には、建築家・佐野文彦...
「ラムを作ろう、壁ではなく」というタイトルのユニークな動画広告は、オーストラリアのラム肉メーカー「Australian Lamb」が制作したもの。「私たち...
「Goldwin」の2021年春夏シーズンのコレクションがローンチ。
NBAの「ロサンゼルス・レイカーズ」に所属している選手、アンソニー・デイビスが着用し話題となっていた「ナイキ」のサステイナブルな新作バスケットボールシュー...
今月1日、「帝国ホテル東京」がホテル内での「サービスアパートメント」をローンチ。3月15日からの入居開始に先駆け、現在、予約を受付中だ。
浜松市の鉄工所がつくったジュラルミン仕様のペグ。強度はもちろん、らせん形状に秘密あり。
米国にできた最新の「7-Eleven Evolution」で夢のような宿泊プランが企画中。快適なラウンジシートや「プレイステーション 5」が用意されている...
1月4日、米「中央情報局(CIA)」の公式サイトが刷新され、現代風にアップデートされたロゴが公開された。どうやら若者へ向けた採用活動を大きく進めるためのリ...