突然、BARのトイレの鏡から見知らぬ男が語りかける。衝撃の事実に思わず酔いが覚めた訳とは?

ここは、ロサンゼルスのとあるバー。いつものように、酒を飲んで上機嫌な客たちで賑わっている。

突然、トイレの鏡から
語りかけてきたのは…?

客のひとりがトイレで手を洗っていると、目の前の鏡に異変が…。自分自身が映っているいるはずのそこから、見知らぬ男が語りかけてきたのだ。

客の男性:「これって何かの冗談?」

鏡:「そうだったら良かったんだけどね。あの日、君と同じように僕は酒を飲んだ。そして車に乗って…人を殺してしまったんだ」

交通安全のキャンペーンと気づいてか、最初はもの珍しそうにしていた客の男性も、話を聞くにつれて次第に表情が曇っていく。

鏡の向こうの彼は、続けてこう語りかける。

「僕が殺したのは警察官だった。彼には家族がいた。子どもが4人、それに妻。酒を飲むことを選んだのは僕だ。車に乗ることを選んだのも…。君には同じ選択をしないで欲しいんだ」


鏡の彼は
「交通事故」の加害者だった

鏡の中の男の名前はKris Caudilla、26歳。ある夜、彼はバーの帰り道に飲酒運転で道路を逆走、警察官を轢き殺してしまった。彼に下された判決は懲役15年。今も、フロリダ州刑務所の中にいる。

このサプライズは、交通事故による死亡者をなくすために活動している団体「We Save Lives」の活動の一環だ。カメラやプロジェクターを駆使して、フロリダの刑務所にいるCaudilla氏の映像を鏡の中に映し出し、マイクを仕込んでバーの客とリアルタイムで会話できるようにしたもの。

プロジェクトは「Reflection From Inside(内なる反射)」と題されている。そのタイトル通り、鏡に映ったCaudilla氏の姿は、酒を飲んだ客の未来の姿かもしれない。

Caudilla氏は、このプロジェクトへ参加した動機をこう語っている。

「毎日考えるのは、自分が殺してしまった人、そして彼の家族について。だから、酒を飲んで車に乗らないよう、誰かに伝えたいと思ったんだ」

彼は、最後にこう問いかけた。

「いいかい、鏡をよく見るんだ。そして考えてほしい。今日は運転して帰るべきかい?」

何人もの客が、同じ答えを返した。その内容はもはや語るまでもないはずだ。

Licensed material used with permission by We Save Lives
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。