男女の「お酒」の消費量が、ほぼ同じになってきたらしい(調査結果)
ときには心の癒しとなり、ときにはコミュニケーションを円滑にしてくれる、お酒。1万年以上の歴史を誇るだけあって、文化的にも重要な存在であることは言うまでもありませんが、その歴史のなかで「男性が飲むもの」とされる時代が長く続いていました。
でもそんなイメージは、変わりつつあります。
かつては2倍以上だった差が
たった1.1倍に?
BBC NEWSにも取り上げられた、このニュース。豪・ニューサウスウェールズ大学が行った大規模調査(1891年〜2001年に生まれた、400万人以上の北米や欧州の男女を対象)によると、男性と女性のお酒の消費量がほとんど変わらなくなってきているとか。
20世紀初頭、お酒を飲む男性は女性の2.5倍もいて、お酒による依存症や健康問題のケースは3.6倍もあったといいます。明らかに「男性の習慣」だったと言えるわけです。
しかしこれが20世紀末になると、お酒を飲む男性は女性の1.1倍、依存症や健康問題の発生のついても1.2倍と、ほとんど変わらなくなってきているそうです。
日本も30-40代を中心に
女性の飲酒率は増加中
じつは日本でも、女性の飲酒が盛んになってきています。厚生労働省の調査でも、男性の飲酒率がこの15年で10%ほどダウンしている一方、女性の飲酒率は1〜2%ほど増加傾向に。とくに30-40代女性に関しては、約5%も増えているとか。
女性の社会的役割の変化をきっかけに、メーカー各社も女性をターゲットにした商品や販促を強化していることも、ブームをあと推ししているのでしょう。
それでも、平成17年の全世代平均を見ると、男性36.7%に対して女性7.3%なので、まだ日本はかなり差が大きいほう。
もちろん、アルコールに紐づく、依存症や健康問題について気をつけなければならないこともあります。
お酒を飲んでも
体はしっかりいたわること
男性と女性では、一般的にアルコールの代謝を行う肝臓が小さいことや女性ホルモンの影響などがあり、女性のほうがお酒に弱いと言われています(もちろん、個人差はありますが)。そのため、男性と同じ量や頻度でお酒を飲むと、健康への悪影響も出やすくなってしまいます。
ジェンダーによる役割分担が見直され、男性中心の社会や文化が変わってきたことは素晴らしいこと。お酒を楽しむのも素敵なことですが、自分の身体とよく相談して、飲みすぎには注意したいところですね。