麻薬の次は…ドゥテルテ大統領フィリピンの公共の場を全面禁煙へ
10月25日より、3日間の日程で来日中のフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領。麻薬撲滅戦争を掲げ、今年6月30日に就任以降も、歯に衣着せぬ物言いで存在感は増す一方だ。
そのドゥテルテ大統領が今月、公共の場での喫煙を全面禁止とする大統領令に署名する準備がある、と「Global News」が報じた。
麻薬の次はタバコに狙い
早ければ、11月には発効されるこのルール。詳細は明らかにされていないものの、公共の場において(内外関係なく)一部の喫煙場所を除いて、フィリピン全土で全面禁煙となる見通しだ。
これまでにも、病院や政府機関など屋内の公共の場では、喫煙が禁止されていたものの、屋外での規制はなかった。
路上はもちろん、駅や公園、政府所有の建物、飲食店でも喫煙ができなくなる。愛煙家で南の島が大好き、あるいはダイビングでフィリピンの島々をよく訪れるような人は、来月以降注意が必要だろう。首都マニラに限らず、セブ島やパラワン島といった人気観光地でも適応される。
市長時代の成功体験
今度は国家規模で
ドゥテルテ大統領にはダパオ市長時代、屋内外を問わず市内全域、公共の場での喫煙を全面禁止とする条例を制定させた成功例がある。
自身の政治家としての肝入り政策を全国レベルで行いたいとする大統領の熱意が感じられ、今回の発効はかなり現実味を帯びた話と考えられる、と「Reuters」は予測する。
ちなみに、ダバオ市での条例を踏襲する格好で、違反者には罰金刑(日本円で約1万円)や禁固刑に加え、社会奉仕活動の義務を課すらしい。
どこまで公共施設?
あいまいな境界線
一方で、Global Newsが伝える情報によれば「全面禁止になったところで、どこまでの施設を公共とするのかの基準が曖昧」だとする声も。あげくにはフィリピンメディアから、発効されたとしても浸透できるのかとの疑問が早くも出る始末。
フィリピン全土の島の数が最近になって急に400も増えたなんて例もある。当事者だって分からないことも多いということか。そう考えれば、この全面禁煙とて中央政権の政策がどこまで市井に落ちてくるのかには、たしかに疑問が残るところだ。
ちなみに、フィリピンは東南アジアでインドネシアに次いで2番目に喫煙率の高い国。東南アジアの国々でのタバコ規制に関する調査を行うSEATCAによると、成人人口の約1/3にあたる約1,700万人が喫煙しているという。