ラグビー選手がSNSに自殺防止のOKサインを投稿。「話していいんだよ」と男性に向けてメッセージ。
「男らしくなければ」という意識に苦しんでいる人は多いかもしれない。言葉にせずとも、自分や相手に同じような思いを要求する瞬間はある。
アイルランドのラグビーチーム「Halifax RLFC」で活躍するルーク・アンブラー選手は、ハッシュタグ「#itsoktotalk(話していいんだよ)」とともに、OKサインをSNSに投稿した。きっかけは、4月に弟が自殺したこと。何の前触れもなくこの世を去ってしまった。
家族思いの明るい弟だった。
弟についてはこう説明している。週末に友だちとフットボールの試合をするのが楽しみで、家族や娘を愛するマジメで礼儀正しい人物だったという。急な出来事だったため理由はわからない。
自殺する男性は、
女性の3倍以上にも及ぶ。
彼は、幾つかの統計を参考にして、男性の自殺率が高いことを示している。
「アメリカ自殺防止財団(AFSP)」は、米国内の男性の自殺件数が女性の3.5倍あると発表している。「イギリス国民統計局(Office for National Statistics)」によれば、英国内で自殺する男性の数も女性の3倍以上だ。オーストラリアにおいても同様であることが「Living is for Everyone」を見るとわかる。この傾向は、程度の差こそあれ多くの国で見られる。日本も例外ではない。
アンブラーさんはFacebookで「#ANDYSMANCLUB」というグループを作った。男性が悩みを気軽に打ち明けられるようにとつくられた場所だ。伝えたいメッセージとして発信されたのが、OKサインとハッシュタグ「#itsoktotalk(話していいんだよ)」だった。多くの人が拡散に協力している。
自殺防止のために、
相談できる環境を。
こうでなければいけないという思いは、強さと同時に追い詰められることにも繋がる。家族を養う大黒柱であったり、責任のある仕事があったり。男として弱音なんて吐けないというプレッシャーを感じていた可能性だってある。
真相はわからないけれど、少なくとも相談できる場所があれば違っていたのではないか、と考えての行動だ。ラグビー選手という男らしさを象徴する世界の人物が発信することにも意味があるのかもしれない。「The Telegraph」へこうコメントしている。
「誰だって両親や家族を困らせたくなんてありません。負担に思われたくないのです。妻や友だちに弱い奴だなんて思われたくない。私たちは、タフで、探求者であり、大きくて強くならなければいけない。
相談相手も冗談で返したくなるでしょう。男らしい反応を見せなければ、弱さを見せれば一斉に攻撃されてしまうかもしれません。
体重の相談をした人間を笑い飛ばせば、その場は楽しいかもしれません。しかし、それが相手を深く傷つけていることがあります。
問題を抱えていなくても、ちょっとでも気分が落ち込んだ時はどう感じているかを誰かに相談してください。手遅れになる前に。話していいんです。誰にだってみんな悩みがあります。前向きになれる方法を探しましょう」。