ロンドンの街路樹に添えられた「Dear Everyone」から始まるメッセージ

ロンドンのオックスフォード・ストリート。クリスマスが近づくと色とりどりのネオンがきらめく街路樹、その一角に1本だけ背の低いカエデの木が植わっています。いま、この木が道行くロンドナーたちの心をほっこり温めているんだとか。

細い幹にくくりつけられたメッセージを読むと、その理由が分かるはずです。

お小遣いで買った植木の成長を
みんなで見守って!

Dear Everyone
 
My name is Arrabella Cornelius, I am 7.
 
I have planted this tree here for everyone to watch it grow and enjoy. 
Please respect it as I bought it with my own money. Plus my Daddy risked getting arrested planting it!
 
Arrabella xx
 
みなさんへ
わたしは7歳のArrabella Corneliusです。
街行くみんなに成長を楽しんでもらおうと思い、おこずかいの中からこの木を買い、ここに植えました。パパも逮捕されちゃうかもしれないリスクを冒して、木を植える手伝いをしてくれました。だから、みんなもやさしくしてください。
 
Arrabellaより
 

つけひげをしておどける、この子がArrabellaちゃん。お父さん(Neil Cornelius)と一緒にカエデの木を植えた張本人です。彼女のいてもたってもいられない気持ち、分かるなあ。

ある日、仕事帰りに暴漢たちによって、街路樹がいたずらにポキンと折られるのを見かけたNeilさん。オックスフォード・ストリートといえば、世界屈指のショッピングエリアです。無残に折られた木は、やがて市が撤去したものの、その後一向に新しい街路樹が植わる様子なかったんだとか。

Arrabellaちゃんにこの話をしたところ、「パパ、私たちで植えよう。夜暗いうちにやちゃおう!」7歳の子どもらしい発想。だけどNeilさんは「パパ、捕まっちゃうかもしれないよ」と、いったんは娘の提案を退けました。

ところが、Arrabellaちゃんの正義感は本物。

翌日、父親を引きずるように車に乗せホームセンターへと走らせ、自分のおこずかいでカエデの苗木を購入。そして、人通りが少なくなった夜、Neilさんに手伝ってもらいながら、空いたままになっていた道の脇にこの木を植えてしまいました。

もしかしたら、また誰かに悪さをされてしまうかもしれない。そこでArrabellaちゃんは、まだか細いカエデの幹に前述のメッセージをくくりつけた、という訳です。

街の美観をまもる
“ゲリラ・ガーデナー”親子

じつはこの親子、ゲリラ的な植樹はこれが初めてではないんです。以前にも同じウェストミンスターのメリルボーン地区の枯れた木の根元にヒマワリやトマトの寄せ植えをしたことも。

父と娘の植樹が街行く人達の目に止まり、それがSNSで拡散される。いつしか親子についたあだ名が「ゲリラガーデナー」。じつにうまい言い回し!

人々の反応も上々のようでThe Telegraphは、「とっても励まされる」、「この親子がウェストミンスターの美観を守ってくれている」といった声を紹介。地域のコミュニティはこういうところからも広がっていくんでしょうね。

Licensed material used with permission by Neil Cornelius, Gemma O'Brien
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