“どこよりも濃いアメリカ”は、ここにあった
アメリカといえば、西海岸か東海岸でしょう?と思っている人にこそ知ってほしいのが、シカゴだ。コンパクトな街にギュギュギュ!と詰め込まれた、“最高濃度のアメリカ”を紹介させてほしい。
シカゴの魅力、それは、“濃度”
アメリカ中西部にあるイリノイ州の、北側に位置するシカゴ。街の東側には、五大湖のひとつであるミシガン湖が広がる。ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ第三の都市だ。成田・羽田からの直行便だってもちろんある。
ビジネス街の印象が強いかもしれないが、実はとっても“濃いアメリカ”を象徴する、文化的で、人間的で、魅力的な都市なのだ。
LOOPエリアに密集する見どころ
LOOP(ループ)エリアと呼ばれるダウンタウンが、シカゴの中心。ここには見るべきものがとにかく多い。中でも外せないのは「建築」だ。
実はニューヨークではなく、シカゴが「摩天楼」の発祥。近代建築を語るうえで外せない都市なのだ。連日満席という建築リバークルーズもオススメだけど、“アメリカっぽさ”を体感したいなら、ぜひあの"セグウェイ"に乗ってめぐる建築ツアーに参加してみてはどうだろうか!
映画『バッドマン・リターンズ』でウェイン・コーポレーション本社として使われた「シカゴ商品取引所」、全米第二の高さ「ウィリスタワー」、まっすぐに伸びる花崗岩の外壁が美しい「AONセンター」が目を引く。
そうそう、世界初の高架鉄道も必見。鉄道に興味がなくても、ほぼ90度に曲がる線路のカーブや木造板張りのプラットフォームには、きっと驚くはず。
街全体が美術館!
ワールドクラスのアートも密集
街あるきをしていると、そこかしこに巨大な彫像があることに気付く。ピカソやミロ、シャガールによる、ワールドクラスのパブリック・アートが点在しているのだ!
少し東に足を伸ばしたところにあるミレニアム・パークは、大都市の中心とは思えないほど開けた美しい公園。ここでも「ビーン(豆)」の愛称で人気のアニッシュ・カプール作「クラウド・ゲート」や、ティファニー製の美しすぎるガラスドームを見ることができる。
「ビーン」の周りには、いつも人だかりが絶えない。とってもフォトジェニックなスポット/Photo by ©Abel Arciniega
ティファニー創業者の息子で、ガラス工芸家でもあったルイス・カムフォート・ティファニー作のガラスドーム。ミレニアム・パーク向かいのシカゴ文化センター内で見ることができる /Photo by ©Nick Ulvieiri
メトロポリタン美術館、ボストン美術館と並び「全米三大美術館」と言われいてるシカゴ美術館もコースに。門外不出と言われ、絶対にシカゴ美術館でないと見ることができない作品があるのだ。これだけでもシカゴに行くべき理由になりそう。
ざっと紹介したこれらのスポット、歩くだけなら約30分で制覇できちゃう密度感。シカゴ、濃すぎる!
音楽好きが
シカゴに行かないなんてアリ!?
シカゴを語るのに、音楽ナシでは無理でしょう。特にこれからの季節は、音楽好きならどこよりも先にシカゴ行きを検討するべし!
実はシカゴはアメリカの中でも独自の発展を遂げた音楽の街。シカゴ・ブルース、シカゴ・ジャズと呼ばれる系譜が根付いているのだ。市民が音楽を愛し、音楽とともに生きていることがよく分かるのが夏のフェス・シーズン。
「シカゴ・ブルース・フェスティバル」、「シカゴ・ジャズ・フェスティバル」、「グラント・パーク・ミュージック・フェスティバル」といった大規模フェスが、なんと無料で楽しめるのだ!周りの目なんて気にせず、ビール片手にグルーヴに身を任せる幸福感を、丸一日楽しめる。
目当てのアーティストを狙っていくなら、「ラヴィニア・フェスティバル」や夜のライヴハウス巡りも◎。有名アーティストのライヴでも、ミュージック・チャージは10ドル前後のところがほとんど。日本では考えられない相場だ。夜のシカゴをハシゴするのも、たまらないたのしみ方だろう。
シカゴに行くなら、絶対、夏!
喰い倒れシティ・シカゴ
絶対に食べるべきは・・・
ディープディッシュのピザに、シカゴ・カットのステーキ!
ピザは約5センチもの深さがある生地に、ミートソースやオニオン、チーズがなみなみと注がれている。薄焼きピザには、もう戻れないかもしれない!「シカゴ・カット」と呼ばれる豪快なステーキも、絶対にトライしてみてほしい。霜降りではなく、赤身の肉感あふれるものがシカゴ流。やっぱり“濃い”のだ。
市内にはステーキハウスが40軒以上!迷ったら、「ベスト・ステーキ・レストラン」のようなグルメランキングを参考にしてみるのが良さそうだ。
地元の人たちですら、食べきれないと分かっていても頼んでしまうのがシカゴ・グルメの魔力。ローカルレストランでは、マダムが「ちょっとコレ食べないかしら?」とピザを分けてくれる場面もしょっちゅうなんだとか。陽気でおせっかいなマダムとの交流も、アメリカっぽさを楽しむのにピッタリ。
余談だけど、実はシカゴと大阪市は友好姉妹都市。喰い倒れシティにおせっかいなおばちゃんの組み合わせは、必然的な方程式なのかもしれない。
“The Americana”
最もアメリカらしいアメリカがここに
“The Americana”
シカゴの人たちは、誇りを持って自らのことをそう呼ぶ。地理的にも、歴史的にも、アメリカの発展を支えてきた要衝であった、シカゴ。自分たちこそが、「最もアメリカらしいアメリカ」を守っていくんだという矜持があるのかもしれない。ともかく、シカゴには“最高濃度のアメリカ”が詰まっているのだ。
ほら、一度はシカゴに行ってみたくなったでしょう?
シカゴのことをもっと知りたくなったら、ぜひシカゴ・イリノイ州公式ウェブサイトもチェックしてみてほしい。もっとたくさんのシカゴの魅力に、気づいてしまうはず!