義手を手にした喜びを、同じ境遇の子どもたちへ

「パパ、僕に手をちょうだい」

Michael Camposさんと息子のCarterくんがお風呂に入っていた時のこと。右手の肘から先を欠損して生まれてきたCarterくんが、もらした言葉。4歳の子どもの懇願に、父親として胸が詰まる思いがしたことでしょう。

なんとしてでも、愛するわが子に右手を……。そう心に誓ったMichaelさん、彼を満足させる義手をつくる決意を固めました。

初めて味わう指先の感覚
手に入れたのは「自信」だった。

Carterくんにぴったりの右手を探しているある日のこと、家からそう遠くない場所に3Dプリンターで義手を製造するLABを見つけたMichaelさん。それから数週間、ようやく完成した小さな義手を目にしたCarterくんは、とっても興奮していたといいます。

彼のための義手を右腕に装着したとき、父親の目に映った息子は、肘から先を手に入れただけでなく、とても自身に満ちた誇らしげな姿に映ったんだそう。

「生まれた時にあげられなかった右手を、やっと贈ることができた…」

Michaelさんのこと言葉が、すべてを物語っているように思えます。

パパと息子の新たなミッション

念願の右手を手に入れたことで親子の夢は叶いました。けれど、二人の想いはそれだけに止まらなかった。

自分たちのように、義手を必要とする人たちがきっといるはず。親子は必要とする人たちに義手を贈りたい、と新たな目標に向かって進む決意を固めました。Michaelさんは自ら資金集めを開始。集まったお金で義手を次々に製作し、それらをすべて無償で手のない子どもたちへとプレゼントを始めたのです。

義手の数だけ広がる笑顔

オリジナルのカラーリングやキャラクターのヒーロー、個性あふれる義手を受け取った子どもたち、みな自然と笑顔になりますよね。Michaelさん親子にとってもそれは同じ。みんなの幸せそうな姿を見るたびに、自分たちの心も満たされていったに違いありません。

小さな男の子が口にした正直な気持ちと、親としての愛情。いま、幸せの連鎖が多くの人々に喜びの花を咲かせているようです。

Licensed material used with permission by Claws from Carter
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。