「これ、本当に子ども向け番組!?」という衝撃。
かき氷屋さんの店長にして、話題のバンド「ねこね、こねこね。」のメンバーという異色のプロフィールを持つ、むらまつえりかさん。ずっと大切にしている“オール・タイム・フェイバリット”の4つめは、おなじみのテレビ番組『デザインあ』です。衝撃的だったというその魅力を、むらまつさんに聞きました。
#FAVORITE.04
『デザインあ』
むらまつえりか:昔からEテレの番組が好きだったんですけど、大学の芸術学部に入ってからさらに好きになって。録画してまで熱中して観てましたね。今でもよく観ますけど。
――デザインとかクリエイター的な観点からたのしんでいて?
むらまつ:そうですね。物事を切り取る“視点”みたいなものがすごい面白くて。あと、子どもならではの想像力とか、いつ観ても新鮮ですね。
サントラを買ったのは、たしか5〜6年くらい前の大学1年生の時で。その頃『デザインあ』が始まって、「本当に子ども向けの番組なの!?」って思ってしまうくらい見せ方や構成が洗練されていて、かなり衝撃的でした。
その音楽をやっていたのがコーネリアスで。当時は存在を知っているくらいだったんですけど、これで一気に好きになりました。どの曲もすごいユーモラスで遊び心があって、いちいちキュンキュンさせられました(笑)。
CDデザインも遊び心満載!
むらまつ:ジャケットも、おもしろいですよね!音楽もそうですけど、ゆるくてチャーミングなところがありつつ、すごく緻密に、細部までしっかり作り込まれているんですよね。全てにこだわって作っているところに、本当に感動しちゃいます。
ーーコーネリアスからは音楽的にも影響は受けてますか?
むらまつ:シンプルな構造というか、シンプルに聴こえるところは影響されてると思います。かといって複雑なことはそもそもできないですけど(笑)。
前回お話したとおり、卒業制作の映像のために最初に曲を作ってみたんですけど、自分ひとりで作るものだったので、知っていた簡単なコードで作ってみて。作り方はその頃から変わっていないので。
――当時は「音楽で食べていこう」みたいな気持ちはあったんですか?
むらまつ:全然!なかったですね。本当に純粋に、歌とアニメーションで子どもたちが楽しんで数字と色を覚えてもらえたら良いなっていう気持ちで作ったので。
でも、高校生の時は漠然と「バンドで売れたい」と思ってたんですけど、その頃あるバンドのスタッフをやることになって。今ではすごい売れてるバンドなんですけど、これくらいやらないと音楽で生きていけないんだって考えた時に、私は音楽をサポートする側に回ろうと思ったんです。
結果的に表現する側になってますけど、私が歌っているところを見てほしいというよりは、まず作品に触れてほしいというか。
――ねこね、こねこね。の曲も絵本みたいにパッとイメージが浮かんでくるし、作家的な気質が強いんですね。
むらまつ:そうかもしれないです。やっぱりEテレとか絵本が好きなので、そういうものはずっと根っこにあると思います。
2013年1月に発表されたコーネリアスのサウンドトラック。salyu×salyu、Chocolat、嶺川貴子、大野由美子(buffalo daughter)、やくしまるえつこがボーカルで参加したテーマ曲や挿入歌、コーナーBGMを含む全25曲を収録。
次回につづきます。前回のフェイバリットはこちら!