クラブのトイレに置かれた「1ドル札と白い粉」の正体。

コカインをナイフで細かく砕いて粉にして、鼻から一気に吸い込むスニッフィング。映画やテレビ番組でよく見かけるように、メジャーなのは机の上にラインを作って、丸めた$1札で吸う方法なのかもしれません。少し前のある調査によれば、アメリカのドル紙幣の約90%から、コカイン吸引の痕跡が発見されたとか。

と、こんな前置きをしたのは、ある日、アメリカの主要都市のバーやクラブのトイレに、$1札と白い粉を上手く利用した広告が登場したから。

ちょっと過激?
麻薬を利用した宣伝方法

貼られているシールには、こう書いてあります。

「もしも今が90年代だったら?おそらく80%の確率で、この粉はカリ・カルテルから密輸されたモノだよ」

そして、左下には「Narcos」という文字が。

もうお気づきの人もいるでしょう、これはNetflixオリジナルでお馴染みのコロンビアの麻薬組織を描くドラマの宣伝。9月1日より始まったシーズン3の配信にあわせて制作されたものです。

でも、なぜトイレ?

シーズン3の題材となる「カリ・カルテル」は、パブロ・エスコバルの死後、コカイン市場を席巻したコロンビアの麻薬組織。最盛期には、世界で取引される80%を彼らが占めていたのだとか。その利益を計算すると、3時間ごとに約1億円(917,000ドル)。さらに、1995年には、同年の「フォーチュン500(アメリカの収入が多い上位500企業のこと)」の総収入よりも稼いでいたようです。

この組織からアメリカに密輸されたコカインは、トイレで吸われることが多々あるそう。実際に、クラブのトイレに「ここで吸引するのはやめてください」という注意書きを見かけることも。 

日本ではちょっと過激とも思える、『Narcos』の宣伝方法。クリエイティブを手がけたDonerLAは、その反響についてこう教えてくれました。

「目を引くこの広告は、始めてから数日ですぐに話題になりました。人気がありすぎて、多くのトイレからシールが盗まれていたほどです」

Client: Netflix
Show: Narcos, Season Three
Agency: DonerLA

Jason Gaboriau - EVP, Chief Creative Officer
Drew Brooks - Design Director, Creative Director
Michael Cessario - Creative Director
Nomin Boutchard - Art Director
Lucas Nelson - Copywriter
Sara Schwartz - VP, Brand Leader
Matt Phillips - Brand Leader
Britta Couris - Producer
Doug Thompson - Print Production Supervisor
Kathryn Lyons-Urbanek - Art Production Supervisor

Licensed material used with permission by DonerLA
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。