短い北欧の夏を「食」で楽しむ家庭料理

いつだってあったかくて、やさしい、おばあちゃんの手料理。家族をひとつにするその味わい、世界の国々にはどんな“忘れ時の味”があるのでしょう。

50カ国の台所から、おばあちゃんの料理を伝えるガブリエーレ・ガリンベルディ(フォトグラファー)によるプロジェクト「In Her Kitchen」。5回目は、北欧スウェーデンの夏の定番料理をご紹介。

【スウェーデン】
ブリジッタ・フランソン(70歳)

ブリジッタおばあちゃんは生粋のスウェーデン人。ストックホルムで生まれ育った彼女は、様々な場所へ旅をした経験があります。

新しくできたコンドミニアムの2階にある、きれいで整った家に住んでいます。すべてが限りなく正確に計算され、家具のほとんどが白。たくさんの大きな窓からは、日の光が差し込みます。家に入った時は、IKEAのショールームに迷い込んだかのような印象を受けましたが、キッチンから漂う美味しそうなサーモンの香りがそんな印象をかき消しました。

ブリジッタおばあちゃんは、娘さんが昔使っていた部屋を借りているドイツ人留学生ニーナと共に住んでいます。

「孫たちは遠くに住んでおり、なかなか会うことができません。ニーナは1年ほど一緒に住んでいて、家族同然。夜、独りぼっちではなく誰かのために料理ができるのはとても嬉しい。ほぼ毎晩一緒にテーブルで夕食をしています。新しく孫ができたみたいで」

ポーチドサーモンと季節の野菜
「ラックス」

サーモンは間違いなくスウェーデンの食卓に最もよく並ぶ具材です。料理方法は何通りもあり、シンプルに軽い料理から、しっかりとしたものまで。このポーチドサーモンは最も一般的で、最もヘルシーな料理法のひとつ。

この料理が夏の定番なのには2つの理由が。冷たい料理だから、そしてジャガイモが食べられるのは夏の間だけだから。

Licensed material used with permission by Gabriele Galimberti
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