「ファームトゥテーブル」を地で行く、ボリビアのおばあちゃん

いつだってあったかくて、やさしい、おばあちゃんの手料理。家族をひとつにするその味わい、世界の国々にはどんな“忘れ時の味”があるのでしょう。

50カ国の台所から、おばあちゃんの料理を伝えるガブリエーレ・ガリンベルディ(フォトグラファー)によるプロジェクト「In Her Kitchen」。第6回は、誰よりも野菜のおいしさを知る、ボリビアのおばあちゃんが主役です。

【ボリビア】
ジュリア・エナイグア(71歳)

ジュリアおばあちゃんは、70年以上も前にチチカカ湖の湖畔にある小さな村で生まれました。家族はみんな、昔も今も漁師と農家。まず覚えたのは遊び、それから畑しごとが彼女の日課に。

25歳の時に結婚し、夫の地元であるラ・パズへと嫁ぎました。その時から、彼女の仕事は畑仕事から野菜売りへと変わりました。数あるマーケットで小さな売り場を設けています。

毎朝とても早く起き、バスで田舎へと向かい、地元の農家から野菜を大きな袋いっぱいに買い付け、またバスに乗り街へと戻る。売り場に野菜を並べたら、売り切るまでマーケットにいます。

残念なことに、家でジュリアおばあちゃんの帰宅を待っている者は今ではいません。夫は数年前に亡くなり、子供たちも違う家に住んでいます。それでも、毎週末に家に集まり子供たちとその孫たち5人に料理をするのが、彼女の唯一の楽しみなのです。

トウモロコシとそら豆と
フレッシュチーズのスープ

Licensed material used with permission by Gabriele Galimberti
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。