働くことは、生きること。「境界線」をなくした暮らし。
5年前、小豆島に移住してきた三村さん一家の毎日はいそがしい。
月:野菜の収穫、出荷日
火:みんなで畑作業、島の友人とみんなで働く日
水:畑・事務仕事、マイペースに働く日
木:野菜の収穫、出荷日
金:カフェ営業日
土:カフェ営業日
日:お休み(と言っても諸々の準備)
たまには、自由に遊ぶ時間が欲しいな〜なんて思ってしまう時もある。と、笑いながら受話器越しに届いた言葉。ぶっちゃけ話に「そうですよねぇ…」と納得していると、ひかりさんの言葉はこう続いた。
「でもね、自由にいそがしいっていう毎日が、すごく幸せなの」
住処を“ひらく”
島のちょうど真ん中あたりにある、肥土山(ひとやま)という里山。そこの小さな集落で暮らしている三村さんは、住んでいる家の一部を金曜日と土曜日は解放して、カフェを営業している。
『HOMEMAKERS』。食べ物、洋服、家具など、身の回りのモノを色々つくるという意味を込めて、名付けられたお店。
本業は農家で、毎日の畑仕事だけでも大変なのに、週に2回はカフェのオーナーとして、畑で採れた野菜を新鮮なままお客様にふるまっている。
暮らしをひらいて、お客様を招き入れる。近所のママ友だったり、都会から来た旅人だったり、地方創生の勉強をしに来た人だったり。
自分たちが毎日暮らしている「生」の居場所で、誰かの心が育まれたり、新しい気づきが芽生えたりする。ふるまって・吸収して、呼吸みたいな循環が家のなかにあると、生命力はどんどん強くなるのだ。
「時間の主導権」は、
いつでも自分が持っている
旦那さんは建築関係、ひかりさんはIT企業勤めと、家族そろって夜ご飯を食べられる日がほとんどないような生き方を変えたくて、島に移住することを決めた3人。
肥土山でも相変わらずいそがしく過ごしてはいるけれど、<家>を拠点に動いている今の生活は、当時とは180度違うもの。毎月決まったお給料が入ってくるわけじゃないし、天気は脅威になる。まだ不安定ではあるけれど、「自分たちでコントロールしている暮らし」は、どうしても治らなかった心のカサブタみたいなものを、きれいに取り払ってくれたのだろう。
“ひらく”をキーワードに、ここで命を根付かせている。
働くことは、生きること
夏だっ!パワフルな太陽が野菜たちをぐんぐん育ててくれる。
今日は友人のイズライフ・堤さんとこでオリーブ収穫お手伝い。
いろんな人が来てくれて畑作業。
水曜日はみんなで畑をする日です。癒しのお茶休憩。窓の外は春の陽射し。
今週はカレーのかわりに野菜たっぷりのタコライス!デザートは、旬のスモモジュレパンナコッタ。
年間80種類くらいの野菜を育てているので、旬の野菜は次から次へと変わっていきます。1年は約50週だから、週に1、2種類新しい野菜が登場する。そう考えるとワクワクします。来週のまかないの主役はどの野菜かな。
里山に、ひっそりと佇んでいるHOMEMAKERS。今日もひらかれた暮らしのなかで、新しいものがこの場所でつくられている。
「HOMEMAKERS」
住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
TEL:0879-62-2727
営業時間:11:00〜17:00
(ラストオーダー 16:00)
営業日:金・土