「若い=美しい」という考えは、もう時代遅れにしかならない。
「25歳はお肌の曲がり角」
巷でよく聞くフレーズだが、私自身も25歳になる前、周囲から何度も聞かされた言葉だった。
結果、25という年齢を境に急激に何かが変化したわけではなかった。が、確かにそれ以前にはなかった小さな変化が見られたのも事実。更に言うと、心境の変化も。
多くの女性が一度は経験したことがあるだろう、目に見えるところに年齢が表れることからくる「焦り」。当時の私は、初めてこの焦りを感じていた。けれど、社会人として都内で働く中で、年齢にとらわれずに自分らしく生きている女性が多数周りにいたことで、「美=年齢ではない」ということを、心底感じていったのだった。
どうやら、世界的に見ても(少なくとも欧米では)、美しさの基準は年齢ではないという認識に変わりつつあるらしい。
「美」は年齢に左右されない
「People」が毎年発表する「世界で最も美しい女性」。2017年に選ばれたのは、ジュリア・ロバーツだった。もう半年以上前の話だが、近頃この発表がふたたび話題となった。理由は、ボストン大学薬学部による調査。同誌を参考にして、1990年と現在の美の基準を比較したものだ。
調査は、1990年に発表された「世界で最も美しい女性」のリストに挙げられた女性の平均年齢が33.2歳だったことに対し、2017年は38.9歳だったと報告している。今年のリストには、20代のエマ・ワトソンやセレーナ・ゴメスも入っているが、栄冠を手にしたジュリア・ロバーツは、選出当時49歳だった。
この話題を最初に聞いた時、8月に「Allure」の編集長が「雑誌の中で、今後『アンチエイジング』という言葉は使用しません」と宣言したことを思い出した。「無意識だとしても、この言葉は年齢を重ねることに対して『戦わなければならない』というメッセージを強くしてしまっているからです」と、理由を説明したものだ。
近年、「People」や「Allure」のように、メディアやファッション業界が、これまでは否定してきた美を、受け入れ発信しているという印象がある。
美の基準は「進化している」
調査によると、美の基準は、年齢同様に人種面でも多様化しているという。「The Australian Science Media Centre」が報じるところによれば、調査を行ったうちの1人は、このようにコメントしている。
「今回の調査で、『美の基準』が進化していることがわかりました。様々な文化や考えを紹介するメディアの発信を、読み手も上手く受け取っているのです」
前述した通り、日本でも既に、年齢にとらわれず生きている人たちはいる。ただ、世間的にこのような考えがもっと浸透していくことを願う。そうなれば、あらゆることに対してより柔軟で生きやすい社会になるのではないか、と思うから。
女性が年齢を重ねることに対し、ある種の「恐怖」を感じることすらなくなる未来も、もしかしたら来るかもしれない。