この悲しみ受けてみよ!「涙」でできた弾丸を。
あまりにも理不尽で辛いことがあった時、どんな相手であっても勇気をふり絞って戦う。自分よりも強い立場の人々に、どれだけの人が気持ちを正面からぶつけることができるんだろう。
昨年、オランダで開催された「DUTCH DESIGN WEEK」に出展されたYi Fei Chenの「Tear Gun」。涙を凍結して、弾丸をつくるというものなんだけど、どうして彼女はこんなものを作ったのだろうか?
抑え込んだ「感情」を解き放つ
Yi Fei Chenがこの弾丸を思いついたキッカケは、教師に対しても毅然とした態度で権力に屈することもなく、疑問を投げかけ続けるオランダの教育風景を目の当たりにしたことから。
台湾出身の彼女が育った環境では、どんなことがあっても教師の前では従順でなけらばならないといった文化があったようだ。だから、オランダの生徒たちの行動や態度は衝撃的だったとのこと。
異なるカルチャーに刺激を受けたことにより、次に圧力に負けそうになったら相手に向かって“涙の弾丸”を放ちたい。そんな気持ちから、「Yi Fei ChenによるTear Gunが生まれた」ということを制作に協力したYen-An Chenが公開したvimeoに綴られている。
あなたなら、
どんな時に撃つ?
Yi Fei Chenの個人的な思いから生み出された弾丸だけど、もしも自分だったらどんな時に涙を弾に込めようと思うのか…。
私だったら、言葉にできないくらい悔しかったり、悲しかったり。心から叫び出したい時に弾を込めると思う。実際に放たなくても、自ら流した涙を攻撃をイメージさせる「弾丸」に変えることで、やり場のない気持ちを少しだけ整理することができそうだ。
でも、自分じゃない誰かがそんな思いをしてまで、涙の弾丸を作ることがあったなら。そう考えると、少しだけ周りに優しくなれる気がしませんか?