今宵、あなたにとって「ミートボールスパ」が必要なワケ

“花金”あるいは“プレミアムフライデー”なんてものがあるように、金曜日の夜といったら、お休み前のちょっと特別な時間。この気分が高揚しちゃう毎週金曜の夜、隣人や友人たちを家に招いて、みんなでミートボール入りのスパゲッティを食べるという風習が、じわじわと世界に広がりつつあるのを知ってますか?

Let's Get Together !!
毎週金曜日の夜7時

この不思議な風習、ある一人の女性が発起人。

フィデラルフィア在住のSarah Greyさんは、フリーライター兼編集者。仕事の時以外は、なかなか人と接する機会がないのが悩みだったそうです。そんな彼女が夫のJoeさんと始めたのが、毎週金曜日の夜に隣人や友人たちを家に呼び、みんなでミートボールのスパゲティを食べるというイベント。

その名も「ミートボールフライデー」。

Sarahさんは毎週金曜日、4歳の娘であるLuciaちゃんと部屋を掃除し、ひいおばあさんからもらった中国製の食器を準備します。夫のJoeさんと一緒にパスタソースを作り、ホームパーティー用の洋服に着替え、ワインを2本、テーブルに置きます。

夜の7時を回ると、Grey家にはたくさんの友人たちが集まってきます。近所の人、古い友人、ネットを通じて知り合ったその日が初顔合わせの人まで。さまざまな人が同じ食卓を囲み、金曜日のミートボールを楽しむのが会の目的。

 

Sarahさんは2013年からこれを続けてきたと言います。自宅で働く孤独感を解消し、娘Luciaちゃんの楽しみを作るため、地域の人と積極的に関わっていこうという思いが、今では地域のコミュニティーとして機能しています。

週に一度のパーティーはSarahさんのストレスを消し、地域の人たちとの絆を深め、身近な人と政治的な議論に花を咲かせるとても良い機会になりました。

 

初めてミートボールフライデーを開催してから9ヶ月後、Sarahさんはフード関連ブログ&コミュニティサイト「Serious eats」にミートボールフライデーの記事を投稿。これがきっかけとなり、小さなパーティーはアメリカ全土へと広まることに。

フィデラルフィアはもちろん、ボストン、ネブラスカ、ニューヨークなど、全米の多くの家庭で、さらには世界中で密かなムーブメントとなりつつあるようですよ。

Sarahさんはミートボールフライデーを開催するに当たって、いくつかのアドバイスをブログに記しています。

まず、誰もが楽しく過ごせるメンバーを集めること。初対面の人との絆を深め、いろいろな視点の話を聞くことを目的にはしていますが、誰もが安心して過ごせる人選をするのが大切だと。

他にも、子供をたくさん招待すること。自分一人が準備するのではなく、みんなに料理を持ち寄ってもらうこと。難しい話を議論するタイミングは食事を楽しく食べ終わってから、など、パーティーを楽しく過ごすための秘訣がそこに。

今、コミュニケーションはどうしてもSNSやメールを通したものになりますが、ミートボールフライデーは今一度、人と直接会って、同じ場所で食事を楽しみ、議論を展開する楽しみを提供してくれます。パーティーに参加するメンバーはほとんど、スマートフォンを見ることなくおしゃべりに夢中になるとSarahさんは言います。

パーティーの参加者はほとんどスマホを見ることなく、おしゃべりに夢中になるとSarahさんは言います。コミュニケーションがどうしてもSNSやメールを通して簡易化されるなか、ミートボールフライデーがこれだけ広がりを見せているという事実。フェイストゥフェイスのコミュニケーションを少なからず求めている人がいることが伺いしれますね。

Licensed material used with permission by Sarah Grey
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。