宮崎・日南のゲストハウス「fan!」は、学生がリレー形式で店長を務める熱いスポットだった

「自分の何かを変えたい」「何かおもしろいことをしたい」と思っていたら、現役の学生でゲストハウスの店長になってしまったというから、人生なにが起こるか分からないものですね。

宮崎県日南市・油津商店街にある「fan! -ABURATSU- Sports Bar & HOSTEL」は、空き店舗再生プロジェクトの一環としてリノベされた、宿泊施設。

お店の名前には、日南や油津のファンになってもらいたい、というメッセージが込められているそうですが、代々 “学生がリレー形式で店長をつないでいる” というのも気になるところ。

油津のゲストハウス「fan!」の
リアルなDIYに親近感

…とはいえ、学生が安く泊まれればOK、みたいな雑さはなく、クイーンタイプやファミリータイプの部屋もあるのでご安心を。ドミトリーだけに押し込まれるサマを想像した人にとっては「意外とキレイ!」な空間です。

学生たちによるDIYの痕跡も味わい深く、逆に清々しい気分にさせてくれます。

プロ野球のキャンプが始まる2月は、かなりの大忙しになるそうです。

こちらは、ドミトリータイプ。1人1泊2,500円〜。

ここは、宿泊者専用のコモンスペース「チャットルーム」。他の宿泊者と交流したり、ゆっくり本を読んだり、思い思いに過ごしてOK。

夜にはBarになります。大画面でスポーツ観戦するもよし。お互いに気をつかわない感じがいい。

必要最低限なものは揃っているから、ところどころに見える「ゆるさ」も居心地の良さにつながっているのかもしれません。

「3代目も学生に
引き継いでもらいたい」

2代目店長、井上平蔵さんに話を聞きました。

「自分のやりたいこと、情熱を傾けられることがなかなか見つからずにいました。運動? 勉強? 遊び? 色々考えたときに、最終的に『地元が好きだな』って思ったんです。地元は大分なんですけど、大分のためなら頑張れるかなって。でも、地域創生とか地域活性化とか、なにも分からなかったので調べていたら、この日南の油津商店街が出てきて(笑)。熱いな、俺もここに行かなきゃいけない、って思ったんですよね」

当時の店長は、現役の名大生だった奥田慎平さん。彼が初代。ちょうど2代目を決めなきゃいけない、という話し合いの場にいたのが、夏休みの間に住み込みで働いていた井上さんでした。

「2代目どうしよう、やっぱり学生がいいよな、ってみんなで話し合っている場の、まさにカヤの外で聞いている感じでした。他人事だけど他人事じゃないような、だんだんそわそわしてきて『あ、俺やりたいんだな』って自覚したんです。ミーティング終わりにすぐに奥田さんのところに行って『僕にやらせてもらえないですか?』って相談しました」

もちろん、勢いだけで継続していくのは難しい。ある意味、多角ビジネスだし、経営者的な目線も求められる。それでも、普通の学生生活では得られなかったような体験ができている、と井上さん。

「僕自身も初めてだったし分からないことだらけだったけど、すごく勉強になりました。3代目もぜひ、学生にやってほしい。その習慣をつないでいくことが僕にとっての成功だし、最大のミッションだと思っています」

当初は、“野球ファン”が集まる場所として立ち上がった「fan!」も、今では、日南ファンや油津商店街のファンをも集めるゲストハウスになりつつあります。

 

井上さんのポジティブさに、なんだかとっても元気がもらえたような気がしました。

—— 記事公開後の、後日談。

無事3代目も決まり、fan! も新しいスタートを切ることになったそうです。

fan! -ABURATSU- Sports Bar & HOSTEL

住所:宮崎県日南市岩崎3-7-26
TEL:0987-55-5666
料金:
男女共用ドミトリー(8人)1人1泊2,500円〜
女性専用ドミトリー(8人)1人1泊2,500円〜
シングル 1人1泊4,200円〜
クイーン(1〜2人) 1人1泊5,200円〜
ファミリー(2〜4人) 1泊8,000円〜

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※店長やスタッフに興味がある人は「bar.hostel.fan@gmail.com」までメールでお問い合わせを。

Photo by JAPAN LOCAL
取材協力:日南市
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。