城下町を未来につなぐ「OBI DENKEN WEEK」とは?

打席に立つと、城の石垣が見えた。「ここで野球ができるなんて贅沢やなぁ」。部活の遠征先で、地元の中学生をうらやましく思ったのを覚えている。住民の生活のなかに、歴史や風情ある町並みが残っているのを感じた。

飫肥(おび)は、宮崎県南部の日南市に位置する、かつての城下町。1977年(昭和52年)に伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に選ばれ、昨年で40周年を迎えた。そんな飫肥で、長年保存されてきた風情ある武家屋敷の町並みにもっと親しんでもらおうと企画されたのが「DENKEN WEEK」だ。

伝建=DENKEN
を五感で味わう

地域の文化財を有効活用して行われる「DENKEN WEEK」。歴史ある場所で、6つのテーマに沿ったイベントが用意されている。

武家屋敷
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プロジェクションマッピング

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たとえば、プロジェクションマッピングというアプローチで、格式ある武家屋敷の価値を見直そうとする企画。ここでは「弥五郎様」や「泰平踊り」など、日南市の無形文化財を題材とした映像を有形文化財に映し出すという。

会場は、明治2年に造られた藩主伊東家の住まい「豫章館(よしょうかん)」。飫肥城下では最も格式のある武家屋敷で、広い空間に庭石や石灯籠、庭木などが巧みに配置された枯山水式庭園があることも魅力のひとつ。

その広間の障子や襖をスクリーンにしながら、完全オリジナルのフルCG映像作品が、それぞれの文化財をつなぎ、新しい価値を創り出していく。

美しい日々の営みを
「マルシェ」で体感する

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町並みの再生には「小さな商い=日々の営み」の再生が大切、という意味を込めてマルシェも開催される。

かつて、宮崎県南の経済の中心だった飫肥地区で開かれるマーケットでは、南九州や日南発の美味しいものや、丁寧な手仕事で作られたものを手に取ることができる。ここでは、飫肥の美しい町並みと、手がかかった小商いとの融合を目指す。

入場は無料で、飫肥城の「鐘楼堂下」が舞台となる。

食を通して、飫肥を知る
「ガストロノミー」

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文化と料理の関係を考える「GASTORONOMIE(ガストロノミー)」。ここでは地元で採れる旬の食材を使って用意された食事を通し、日南の食文化について改めて考える機会をつくる。

服部亭を会場とし、料理は「レストラン エスキス」のフランス人シェフ、リオネル・ベカ氏が務める。

飫肥城下で
素敵な「シネマ」時間

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飫肥が舞台となった映画や過去の名作映画を、飫肥城下にある旧藩校振徳堂内で上映する。

いつもは静かな夜の町で、映画を観ながら大切な人と過ごすのも良いかもしれない。

「アート」をきっかけに
気づきある街づくりを

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ひとつだけでなく、いくつかの文化財を展示空間として使い、小松孝英、入江万理子、小林達史ら、宮崎県出身アーティストの作品を展示する。

普段は見ることのできない、アートと文化財が合わさった新しい空間を楽しむことができるそうだ。これらは、DENKEN WEEKの開催期間中、常設されている。

「過去・現在・未来」
について話そう

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現在「飫肥」は、歴史的資源を活用した観光まちづくりに積極的に取り組んでいる。

このプロジェクト「TALKS」は、飫肥だけでなく県内にある他の伝建地区の取り組みや、全国の先駆けとなる事例の発表を通し、飫肥地区の未来について、ゲストや参加者と一緒に考える場を提供してくれる。

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先日、久しぶりに訪れた飫肥で、町を散策しながら食べ歩きができる企画に参加した。引換券がついた食べ歩きマップを購入すると、案内所のおばちゃんが教えてくれた。

「今日は、ココとココが定休日ね。いってらっしゃい!」。元気よく送り出されて食べた厚焼きたまごやおび天、そして歴史ある町並みは変わっていなかったけれど、訪れた人たちが楽しく観光できるプロジェクトは新たに始まっていた。

「DENKEN WEEK」は、参加者が五感を使って飫肥について考え、その地域にある良さを再認識するきっかけをつくるイベントなのだ。

次に来たときはどんな体験ができるのだろう? そう考えると、また訪れたくなった。

OBI DENKEN WEEK

日時:2018年3月10日(土)〜18日(日)
場所:宮崎県日南市飫肥地区

Licensed material used with permission byOBI DENKEN WEEK
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