世界から注目される、日本の「4つの島」

白い砂浜にコバルトブルーの海、そこに照り付ける眩しい太陽。南の島と聞けばそんな風景が思い浮かぶかも知れません。そんな南国らしい風景とは別の理由で、今世界から注目される日本の南の島々をご存知でしょうか。

世界が注目する「奄美・琉球」

鹿児島県の奄美大島、徳之島、沖縄県の沖縄島北部、西表島は世界自然遺産の候補地として選定されており、早ければ今年の夏ごろに登録が予定されています。この4つの島々は、大陸から小さな島々が分離・成立する過程で、独自の生物進化を遂げ、現在も手つかずの自然が残り、絶滅危惧種や固有種など多種多様な動植物が生息しています。

森に入る際にはガイドツアーに参加するのがおすすめ。見過ごしてしまいそうな小さな生き物や希少な植物などについて解説があり、より一層それぞれの島の個性について知ることができます。

長い年月、守られてきた自然と文化。

東洋のガラパゴスと呼ばれる奄美大島の中腹にある、神秘の森「金作原原生林」。雨の恵みをたっぷり受けて青々と伸びるシダ植物、その傘からやわらかい太陽の光が降り注ぎます。生きた化石といわれる巨大なヒカゲヘゴなどの亜熱帯植物が茂り、国指定天然記念物のルリカケスやキノボリトカゲなど、希少な生物も生息しています。

そんな奄美大島で1300年続いてきた「大島紬」は絹織物の最高級品。生産工程が複雑なため、熟練の職人の手がかかっているだけではなく、世界でも珍しい「泥染め」はこの土地ならではの究極のモノづくり。今は高級品ですが、昔は普段着として着用されていました。鉄分を多く含む奄美大島の土壌と島に自生する車輪梅(テーチ木)から抽出した染料で染める、まさにこの土地で育まれた奄美大島らしい民芸品です。

ここでしか会えない景色に圧倒される。

奄美大島からさらに南、約1万人が暮らす徳之島にある「金見崎ソテツトンネル」はソテツの群生がアーチ状に生えてでできたトンネル。くぐりにくい場所もあり、ちょっとした冒険気分を味わえます。樹齢350年以上のソテツが約200mも続くトンネルを抜けると、先に待っているのは息を呑む景色。展望台からは東シナ海と太平洋を同時に望むことができます。

徳之島の自然に負けない強さを感じられるのが、牛同士が激しくぶつかり合う「闘牛」。昔から島の娯楽として楽しまれてきた行事で、年に数回の地方場所と1月、5月、10月に全島大会が開かれ、全国から多くのファンが詰めかけるほど。リング内を所狭しと力強くぶつかり合う牛同士はもちろん、応援団、観客の視線がその奮闘に注がれ、熱気に包まれた会場 に一度は足を運んでほしい。

自然をもっと楽しむ、アクティビティと島グルメ。

沖縄島北部「やんばる」の東村に広がる 慶佐次湾(げさしわん)のヒルギ林 。ここではカヌーを借りてマングローブ林を探検することができます。パドリングも慣れてしまえば楽しいもの。疲れたら、ゆらりゆらりと水の流れに身を委ね、広い空を仰ぐと島時間を感じることができるはず。

そんなジャングルが生い茂る沖縄島北部は、実は 日本一のパイナップル生産量 を誇ります。7〜10月には収穫前のパイナップルが一面に広がる畑を見ることができるかも。自然を満喫した後は島で採れたフルーツやご当地スイーツを食べるのも楽しみのひとつ。

全身で感じるからこそ、感動できるもの。

沖縄本島からさらに南、西表島はなんと島の約90%を森が占めています。ここではジャングルトレッキングが絶対におすすめ。この島でしか出会うことのできない生き物や、頂上からは雄大な景色が待っています。また浦内川には、400種類以上の生き物が生息し、その数は日本一!日本とは思えないスケール感に感動すること、間違いなしです。

そんな西表島は夜も最高。西表島のある八重山諸島は、星空保護区に申請しているほど星空が美しく、天気の良い日は暗闇を裂くほどハッキリとした天の川も見ることができます。季節によって日本一小さいヤエヤマヒメボタルをはじめとした、様々なホタルにも出会うことができるかも!

4つの島をぐるっと周遊するなら

手付かずの自然と独特な文化が残る奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島。島から島へのアクセスも可能です。初めて訪れる方には、主要空港から便数の多い「奄美大島 × 沖縄島北部」コースがおすすめ。今後、各島へのアクセスがより充実する予定になっているそう。

奄美大島⇔徳之島 飛行機で約35分、フェリー約3時間20分

奄美大島⇔那覇空港(沖縄島北部) 飛行機で約1時間10分

那覇空港⇔石垣空港 飛行機で約1時間

石垣島⇔西表島 フェリーで約45分

世界自然遺産に登録されると一気に注目度が高まるため、是非今のうちに各島へ出かけてみてはいかがでしょうか。

日本エアコミューターより、奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の世界自然遺産候補地と国立公園指定地区の奄美群島5島(※)を結ぶ『奄美群島アイランドホッピングルート』が7月1日に航行開始。

※奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島