野菜は「切り方」で味が変わる!?
みなさん、どうやって野菜を切っていますか?
水でサッと洗い、まな板に乗せ、流れ作業のように包丁をザクザク…。
その切り方、ちょっと待って!
「Food52」の食愛好家Valerio Farrisさんいわく、味付けもしていないこの「切る」という段階で、野菜の味が変えられちゃうのだそう。まさかですよね…。
この記事を最後まで読めば、料理もやはりサイエンスなんだと改めて感じさせてくれるはず。
野菜の自己防衛本能が影響?
野菜を切ると、味は変わるのか。
答えは、もちろん“イエス”。
この研究が追求したのは、スライスしたり、サイコロ状に切ったりすることで、味や栄養価が変わるかどうか。
NPRのThe Saltに掲載された研究結果によると、野菜を切るだけで味も化学成分も変わるのだとか。理由は、包丁で野菜の繊維を切り裂くと、野菜が色味をつけ、紫外線放射から身を守る【ポリフェノール】が放出されるから。そしてこのポリフェノール、カラダにとてもよく(一種の抗酸化物質)、炎症を和らげる効果もあるといわれています。
とは言え、切ることによって放出されるポリフェノール量はごくわずか。あまり大きな違いは生まれないそう。
たとえば、The Saltが例に挙げているニンジンの場合。
ニンジンは切ることでポリフェノールの放出量が200%増加しますが、そもそもニンジンに含まれているポリフェノールが少ないため、効果はそこまで見られません。
放出量があまりにもわずかすぎて、栄養価の面では「影響がある」とまでは言い切れないようです。
では、他の野菜も味や食感にまったく影響がないかと言えば…。一例を挙げると、バジルのような葉ものの場合、切るとシナシナって元気がなくなったように見えませんか?あれは酵素が放出されるせいなんだとか。ポリフェノールも苦味を持つそう。つまり、切れば切るだけ苦味が出てしまう。まあ、「ビター・イズ・ベター(苦いほうがいい)」なんて言いますけどね。
また、The Saltの別の調べでも、「切り方」によって味が変わる点を指摘しています。ちなみに千切りとみじん切りは野菜の表面積がほぼ同じなため、他の切り方に比べて、似たような味になるそうですよ。加えてサイズによって調理時間も変わるため、味も若干変わってくるんだとか。
とうの昔から「葉っぱやハーブは包丁を使わず手でちぎったほうがいい」と言われてきましたが、味や食感を考慮すれば、たしかにこの伝えには信ぴょう性が未だ健在であるような気がしますね。