でしゃばらない美味しさ。福岡「おきゅうと」

福岡県出身でおばあちゃん子だったという知り合いのライターAさんが、こんな風に言ってました。

「朝ごはんに必ずと言っていいほど出てきていたのが、ゴマや鰹節のかかった『おきゅうと』。ごりょんさん(奥さん)がトントンとおきゅうとを刻む音は、博多の朝の風物詩なのであります」

と。

朝ごはんの定番にして
福岡のソウルフード
「おきゅうと」

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おそらく「おきゅうと」と言っても、福岡の人しかピンとこないかもしれないので、簡単に説明を。

「おきゅうと」とはエゴノリという海藻を煮固めたもので、小判形にした食材。それをクルクルと巻いて、細切りにして食します。薬味や味付けはそれぞれの家庭で好みがあるようで、ライターAさんの家では、醤油とすりゴマが定番だったとか。また、基本的におきゅうとが出てくるのは朝ごはん。夕ご飯の食卓におきゅうとが並ぶのはちょっと想像がつきません。

肝心の味については、その見た目からしてちょっと色の濃いところ天といった感じですが、味もところ天と思っていただければ大体間違いなし。ところ天と比べて食感がわずかにザラリとしてほんのり海藻の香りがする程度で、味はほとんどなく、栄養価もほとんどありません。

「ぶっちゃけた話をすると小さい頃は、まずくはないけれど、飛び上がるほど美味しいものでもないなぁと思っていましたし、東京に住むようになってからはその存在をほとんど忘れかけていました」

と、Aさん。

淡くて儚い味だから
毎日だって食べたくなる

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Aさんの回想はとまりません。

「あれほど小さい頃は関心のなかったおきゅうとの存在を思い出した今、なぜだか無性に食べたくてしかたない。思えば遠くにきたものだ。小さな頃の記憶が薄れるのに反比例して、あれほど淡いおきゅうとの香りをありありと思い出せてしまいます。

 

考えてみれば毎日のように食べていた頃も『おきゅうと、飽きたなぁ』と思ったことはありませんでした。忙しい朝でもすぐに用意ができて、食欲がなくてもつるりと食べられる。魯山人はふぐやワラビを “無味の味” としてベタ誉めしていましたが、おきゅうとにも似たような魅力があるように思います。出しゃばらない美味しさってあるんだなぁ、と大人になってやっとわかりました。おきゅうと、ひさしぶりに食べたいなぁ!」

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購入は、伊都野菜園より。

Photo by Makoto Kujiraoka
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