カラダよりもココロに沁みる味

「のど痛すぎて休みます〜」

遅めのGW休みを消化したデザイナー(4月入社)からそんなメールが着た。これが世に言うところの“五月病”ってやつね。なんて思っていたところ、二、三日で現場復帰。

なーんだ、ただの風邪?こちらも本人も、そうたかをくくっていたんだけど、どうやら症状はもっと深刻だったみたい。のどの奥の粘膜が腫れてふさがりそうな状態だとかで、医者のすすめで翌日から大事を取っての入院が決定。

「なんも食べられへん」

そうつぶやく声に元気なし。それでも、スープをつくってくれとせがむ。

ピンクとオレンジの
どろっどろなのです。

仕事の手を止めキッチンへ降りた僕。

あれもこれも入れた、栄養たっぷりのをつくってあげたいところだけど、いかんせん相手は唾を飲み込むのもシンドイ状態。ということで、フードミキサーを使ったポタージュへとシフト。

久しぶりだな、離乳食の感覚。

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© 2018 TABI LABO Kitchen

余りもののビーツが1つ(ラッキー!)。血液の流れをよくするとか、疲労回復とか、基礎代謝とか、ネットで調べればカラダにいいみたいな話がゴロゴロ出てくる。たしかにそれも今の彼女には大事。でも、そんなことよりも“あの色”がほしくてね。

蒸したジャガイモの皮をむいて、こちらも蒸したニンニク、生クリーム、牛乳、ペコリーノチーズとともにハンドミキサーにかける。うん、いい感じに「もったり」だ。最後に塩で味を調えておしまい。

・・・・・・・・・・・

もうひとつはニンジンがベース。でも、それだけじゃあ芸がない。いつだったか南仏で食べた味の記憶をたどってオレンジの皮を加えてみることに。

スライスしたニンジンと、オレンジの皮をまずはフライパンで蒸し焼きにして、生クリームとオレンジ果汁を加えたら、こちらもミキサーでギュイン。あとハチミツね。のどの痛みにはちみつ、なんて昔からよく聞くし。

生クリームとバターを足してコトコト煮込んでいると、そよ風に乗ってふんわり奥ゆかしいオレンジの香りが鼻に届いた。(勝手にプロヴァンス気分)こちらも、いい感じ。

そう、こだわりポイントは
色だけにあらず、なのです。

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© 2018 TABI LABO Kitchen

とくに名前も呼び名もないけれど、こうして2種類のポタージュが完成。

デザイナーってうるさいから、色味を意識してつくったよ。喜んでくれてたけど、口にできたのはどちらもスプーン2つ分だったね。ツラいんだろうな。

・・・・・・・・・・・・

翌日、病院に見舞いにいく。ちょうど晩ごはんの時間だったみたい。のどの痛みのほかはどこも悪いところない彼女は、ナースに悪態をついていた。(コッチがハラハラするってば)

「マズ〜い、無理〜」

まだ腫れのひかないのどをいたわり、10分がゆよりもさらにゆるい、米のとぎ汁のような液体に顔をしかめているのである。

「ぜんぶ食べられへんかったけど、あのスープ持ってきて〜」

人懐っこい笑顔が戻っていた。彼女なりの「ありがとう」と受け止めよう。(よくできた上司w)

そして、病院食と僕のつくったスープの性質の違いを説明。のどのこと、カラダのことをいたわっての病院食。で僕はというと、そこにもうひとつ。お前さんのココロもいたわってつくったわけだからさ。なんてね。

Top Photo by 2018 TABI LABO Kitchen
Licensed material used with permission by TABI LABO Kitchen
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