健康派も飲みたくなる、オニオングラタンスープ
ああ、「オニオングラタンスープ」。
とろけるチーズが表面に厚めの層を作り、スプーンを挿すとぷかぷか浮かぶふわふわのパンがお目見えする。なぜだか無性〜に食べたくなるんですよね。高カロリーだってことは百も承知。「野菜入ってるし」とか罪悪感をごまかしてみたり。
さてこのオニオンスープですが、生まれはフランスらしいのですが、どうやらもっと以前からイタリア・トスカーナのでも親しまれてきたオニオンスープがあったそうです。
そこをググッとえぐった記事を書いたのは「Food52」のEmikoさん。フランスとイタリア、オニオンスープにどんな違いがあるのでしょう?
トスカーナ生まれの
オニオングラタンスープ
フィレンツェの人に聞けば、おそらく「オニオンスープはフランス生まれではなく、トスカーナ生まれ」と答えるでしょう。彼らが考えるそれは、カラバッチャ(carabaccia)という呼び名でルネサンス期のレシピ本にも登場するほど、歴史があるんだそう。
カラバッチャは、通常スライスされた玉ねぎを野菜スープで煮込み、挽いたアーモンドで味に厚みを、シナモンでスパイシーさを出したもの。
このレシピは、フィレンツェ生まれのCatherine de' Mediciが、ヘンリー2世と結婚した際にパリに持ち帰ったもの。ちなみにクレープやソルベも、もともとはフィエンツェからという説も。さらに、かのレオナルド・ダ・ヴィンチ(ちなみに彼、お肉は食べない主義だったそう)に愛されたスープだったそうですよ。
カラバッチャは、私たちがよく知るフランス生まれのオニオンスープとは、見た目から異なります。
まずはパン。こちらはトーストされていて、好みによってはガーリックで味付けされたものを用います。かつ、スープに浮かべるのではなく、ボウルの底に敷くスタイル。
これはトスカーナ地方のスープに多く見られる様式。加えてチーズもグリュイエールではなくパルメザンが使われ、スープも野菜がベースと、フランスのものに比べるとかなり薄め。
最近のカルバッチャは、パルメザンと半熟卵を入れたなめらかさと栄養分を加えたものが主流。昔のものに比べると、メロウで気取っていないようにも思えます。
私は、どちらかといえばダ・ヴィンチのお気に入りに寄せて、野菜スープを使うのが好きですが、濃さを求める場合はチキンやビーフストックを使うのも◎。
あるいはソーセージを入れたり、去勢された羊の出汁をスープに使用したレシピを参考にしてもいいでしょう。これは、1705年に出版された『Il Panunto Toscano』というトスカナの料理本に紹介されたもの。
この時期ならそら豆を足すと、彩り豊かになり爽やかさもアップするのでオススメです。