ただの山芋じゃなかった、静岡の自然薯「とろろ汁」

「とろろ」は手頃な値段でおいしく食べられる庶民の味として広く親しまれていますが、ここで紹介する「とろろ汁」に使われているのは、静岡県産の自然薯(じねんじょ)。

山芋の仲間ですが、スーパーで売っている馴染みの山芋とは、味も値段もまったく違うのです。

高級山芋は江戸時代の
エナジーチャージ

4863425846968320
© 2018 Makoto Kujiraoka

自然薯は、直径3cm長さ150cmほどに成長する野生のひょろ長い芋で、1kg(約60cm)でおよそ5千円とかなりお高い印象。それもそのはず、1年で10cmくらいしか育ちません。さらに、女性の身長ほどある自然薯を傷つけずに優しく掘り出すには熟練の技が必要で、1本掘り出すのに数時間かかることもあるんです。

江戸時代、人々は江戸から京都まで約500km続く東海道五十三次を2週間かけて歩いて旅していました。その道中にある静岡県の宿場町でよく食べられていたのが、この「とろろ汁」。旅を続けるための貴重なエネルギー源だったようですね。江戸時代の浮世絵師、歌川広重による浮世絵にも「とろろ汁」をすする旅人の様子が描かれています。

ダシを加えるのが静岡流
絶品とろろ丼

4883321477660672
© 2018 Makoto Kujiraoka

静岡ではとろろにサワラやサバなどのダシを加えて食べられています。この「とろろ汁」はそのままでも充分おいしいけれど、ひと手間加えるとまた違った味に出会えます。

たとえば、熱々のご飯にとろろ汁をかけた上から卵を落とし、お醤油で味付けして月見丼にしてみたり、漬けまぐろをのせるのもいい。とろろと同じネバネバ系の納豆、さらにわさびなどもよく合います。他には海苔、明太子、ツナ、梅干し、ウニ、鶏そぼろなど定番のトッピングから、パンチの効いた組み合わせまで色々な食べ方を試してみてください。

6004931249045504
© 2018 Makoto Kujiraoka

購入は、おじろ弁当より。

Top photo: © Makoto Kujiraoka
山形の名物「納豆汁」。納豆をそのまま入れるんじゃなくてすりつぶすんです。
青森県で古くから愛されているご飯のお供と言えば、「味よし」。普通であれば、山菜漬けや、魚介の塩辛をイメージするからもしれませんが、「味よし」は数の子、昆布...
すっかり定着した発酵食ブーム。意識せずとも毎日の食卓に取り入れることこそ、上手な発酵食とのつき合いかたでしょう。そこで「味噌」です。料理家・平山由香さんの...
なかなか馴染みがないクラシックコンサート。ですが、一部のビジネスパーソンや海外では、教養を深めるため、そしてネットワークを構築するために愛されています。その
いろんなストーリーが浮かんできます。
だいぶ涼しくなってきたとは言え、まだまだ気温差も激しく、疲れが残りやすい人も多いのではないでしょうか。南国・宮崎の我が家には、そんな「バテ気味な人」にぴっ...
春夏秋冬に土用を加えた「五季」。この5つの季節を発酵調味料(酒、塩糀、酢、醤油、味噌)で表現した、お菓子を紹介します。日本料理の基本となる調味料「さしすせ...
静岡県にある、知る人ぞ知る“秘境駅”が大きな話題になっています。なるほど、確かに写真を見ればそれも納得。この幻想的な光景、なんだか『世界の車窓から』に出て...
せんべい汁は青森県八戸市を中心に、青森県南〜岩手県北周辺で食べられてきた郷土料理。鍋専用の南部せんべいを鍋の中に割り入れて煮込むと、美味しい出汁がしみ込ん...
きのこや野菜など、旬の味覚をお味噌汁を取り入れることで、季節の移ろいを感じることができます。具材の変化はもちろんですが、『毎日のお味噌汁』の著者・平山 由...
そもそも、普段使いのバックパックに「どれだけ防水性を求めているか」という話はあります。が、それはさておきです。
その日の気分で自由な組み合わせを楽しむ料理家・平山由香さんのお味噌汁。今回の主役はアスパラガス。フレンチにもイタリアンにもスパニッシュにもベルギー料理にも...
ピーマンをお味噌汁に?独特の香りがチョット気になる人でも、焦げめがつくくらい素焼きするか、油でソテーすれば香りが和らぎ、とってもいいお味噌汁の具材になるん...
新潟県の西蒲区周辺に伝わる漬物料理が、この「きりあえ」です。細かく切った大根の味噌漬けに柚子の皮やすり胡麻、砂糖などを和えた郷土料理で、ふりかけのようにし...
れんこんのシャキシャキとした食感と、鼻にツンと抜けるからしみその香りは、ご飯もお酒もすすみます。遡ること約400年前、江戸時代初期に「からしれんこん」は生...
富山でラーメンといえば、富山ブラック。醤油ベースの濃い味は、白米と共にいただくための心意気。ある意味これもご飯のお供ですが、ここではさらに歴史も黒色も深い...
53杯のクラフトビールを飲みながら東京から徒歩で京都を目指す、「クラフトビール 東海道五十三注ぎ」の旅。東京を出てから7日目で、静岡市に到着した。ここでも...
特別な感情が心に生まれるキスのエピソードを、みなさまにお届けしていきます。
徳島県、美馬地方で万能の薬味として親しまれている「みまから」。これが実は、とんでもなく辛い食べ物なんです。「みまから」の原料は、古くからこの美馬地方で栽培...
静岡県は袋井市の名物料理、それが「たまごふわふわ」。一般公募で子どもがネーミングしたのかと思ってしまうようなこの料理、じつは200年以上前から食されてきた...
書籍『毎日のお味噌汁』の中で紹介されている、料理家・平山由香さんのひと椀が、なぜこうも大胆で自由で、おおらかなのかを探っていくと、あるキーワードにたどり着...
あったかいごはんに、菊イモと人参のきんぴら、能登の里山汁。堪らず舌先が“しっとり”してくるこの献立。2016年1月29日、石川県羽咋(はくい)市内の小中学...
お椀のなかを見たとき、まずこれがお味噌汁なのだ、と理解するまでに少しばかりの時間が必要かもしれません。おいしい生麩を使って、大胆にプチトマトとアボカドを添...
朝一番の漁を終え、仕掛けた網の片付けがひと段落したころ、あったかいお椀をすする。どこか港町の情景が見えてきそうなこのお味噌汁。明石のおいしいタコを使ったひ...