このヌードは「性ではなく生」
フォトグラファーShiori Akibaの被写体はご覧の通りヌードだ。けれど、私たちがその言葉から無意識にイメージしてしまう性的な何かとは、明らかに質感が異なる。
裸体を無機質に捉えたり、人体のフォルムの美しさを強調するような作品になら、これまでにも出合ったことがある。
でも、彼女の写真。なんかそういうことでもないんだよなあ。
© 2018 Shiori Akiba
© 2018 Shiori Akiba
© 2018 Shiori Akiba
NUDE≠裸
NUDE=ハダカ
まあ到底、私なんかには言語化できるわけがない。だからフランスにいるAkiba氏本人(彼女はパリ在住だ)にコンタクトを取り、直接聞いてみた。
「そもそもNUDEを撮りはじめたきっかけは、日本におけるNUDEの見られ方や扱いに深い疑問からでした。私にとってNUDEとは、性を感じるだけでなく生をも感じるもの。とても美しく、興味深いものなんですよね。でも、NUDEを扱った作品は性の視点からしか見てもらえないことが多い。女性の私にとって、それは腹ただしかったり、気持ちの悪かったり。そう感じることがたくさんあったんです」
わかる。私も女性だから。
別にエロを否定するわけじゃないんだよね。そればっかりっていうことに違和感があるだけ。だから、「生として美しいハダカを表現した」という氏の言葉に強く共感する。
そして、その美しさの表現が、とても生々しくはあるんだけど、どこか夢見心地な世界の中で展開されるShiori Akibaの作品が大好きだ。
© 2018 Shiori Akiba
© 2018 Shiori Akiba
© 2018 Shiori Akiba
Top photo: © 2018 Shiori Akiba