表現活動の一部!?群馬・高崎のフラワーアーティストがつくる創作かき氷

全国各地で猛暑日連発。もはやどこの地域も同じなのではないかと思ってしまいそうですが、なかでも、ひと際「暑い」と、毎年ニュースでとりあげられがちな(イメージがある)のが、岐阜県多治見市や埼玉県熊谷市や高知県四万十市。そして、群馬!(館林とか……)

そんな暑いまち・群馬の高崎市で気になったのが、お花屋さんのなかにあるかき氷屋さん「花暦氷本舗」です。ここでは、立地とお花屋さんならではの経歴を活かしたかき氷が楽しめます。

群馬県産フルーツや食用花の
自家製ソースがたっぷり

© 2018 Etsu Moriyama
左から「榛名うめ」「いちご」各650円

見ているだけでも涼しくなってきそうなこの感じ……。
既製のシロップのかき氷は300円〜、自家製のものも500円〜とお手頃です。そして、氷はふわっふわ。かき氷のために作られた純氷が使われていて、ふわっふわを保つために、氷の温度管理と氷を削るための刃のコンディションにはかなり気を使っているんだそうです。

© 2018 Etsu Moriyama
ちゃんと中にもシロップが!

そもそも、最初にここのかき氷に注目した理由は、地元産フルーツを使ったメニューが充実していたからでした。公式Instagramをさかのぼって見てみると 、「何種類あるんだ?」ってくらい色んな種類がありました。榛名桃、榛名なし、プラム、芋、トマト……など。

これは取材に行ってみてはじめて知ったのですが、お店があるのが「榛名フルーツ街道」と呼ばれている道路沿い。「花暦氷本舗」では、果物や野菜などの時季ものは、一番おいしいときを見極めて、近所の直売所から仕入れるんだそうです。つまり、期間限定メニューがいっぱいあるんです!そのなかでも注目なのが、夏に登場する「ベルバラオーガニックローズ」(1200円)です。お花屋さんがつくるお花のかき氷なわけですが、材料となる花びらの仕入れは、食用のバラとして国内初の認定を受けた「ベルバラ園」。オーガニックローズを使ったシロップはお店で手作りしています。

通年ある定番メニューの中で人気なのは、「いちごレアチーズ」「カフェオレ」「かぼちゃプリン」あたり。これを目当てに来る、群馬県外からのリピーターさんもいるんだとか。

あくまで本業は
お花屋さんなんだけど…

© 2018 Etsu Moriyama

やっぱり気になったのが「お花屋さんなのに、なんでかき氷?」ってこと。これ、理由が結構潔いのですが

「花屋として年間で一番忙しいのが母の日なんです。母の日を過ぎてしまうとお盆までが暇で。そんな時に、近所の飲食店に行列ができているのを見たんですよ。で、“食べ物の力ってすごいなー”って思って。“花屋行列できね〜!”って(笑)。例えばうちが、どんなにいいバラやユリをおいていたとしても、なかなか県外から来てくれる人っていないんですよね。つまり、花屋から見た飲食業界が華やかに見えたってわけです(笑)」

と、オーナーご夫婦のご主人。

「だから、お花が忙しいときはかき氷は休んじゃう。本業はお花なので」

って。2013年からかき氷をはじめて今年で5シーズン目。リピーターさんたちは、だんだんこの周期をわかってきているんだそうです。

© 2018 Etsu Moriyama

ところで、オーナーご夫婦は幼なじみ。そして、お二人ともフラワーアーティスト(お二人とも結構な賞歴があります……!)。

そして、お二人とも同じ師匠・松田隆作さんのもとで修行をされています。松田さんの作品集を見せていただいたのですが、なんとも前衛的というか、奇抜な作品がちらほら。

「昔は僕たちも尖ってやってた時期があって。今はだいぶ丸くなりました(笑)」

国内外の展覧会をはじめ、群馬県庁や東京ミッドタウンに展示されたものなど、お二人の作品をたくさん見せていただきましたが、どれもステキでした(師匠の作品と通ずるものを感じる作品もありました)。

テーマはレインボー

© 2018 Etsu Moriyama

お花屋さんの看板商品は、厳選した国産バラを自店で染め上げた「レインボーローズ」。

© 2018 Etsu Moriyama

かき氷屋さんにも「レインボー」。

そして、(少し前の写真で登場している)ご主人のTシャツも、レインボー。イベント時などは、虹色アフロスタイルのこともあるそうです……。

周りからは、遊んでるって言われることもあるそうですが(笑)、でもきっと、お花もかき氷もお店の雰囲気づくりも、全部ひっくるめて“表現活動”。奇抜な作風の師匠のもとで学んだことを生かし、今後はもっと奇抜な(他店がやらないような)かき氷を作るべきだし、作っていきたいんだとか。

「かき氷に花生けてみたり!?」

なんて、笑っておっしゃっていましたが、将来それくらい奇抜なかき氷が提供される日が来るのかもしれません。

予約を忘れずに

© 2018 Etsu Moriyama

遠くから来る人への配慮や駐車場との兼ね合いで、かき氷は予約優先。HPから予約ができます(デポジット制)。空いている場合は飛び込みもOKです。

© 2018 Etsu Moriyama

「花暦氷本舗」
住所:群馬県高崎市剣崎町1207-9 
TEL:027-343-1269(電話予約は不可)
営業時間:10:00〜18:00
定休日:日曜日(小学生の夏休み期間は定休日が木曜日に変更)
公式HP:http://www.hana-goyomi.com/Cafe/index.html
Instagram:https://www.instagram.com/hanagoyomikoori/?hl=ja
※期間限定メニューや営業日程はInstagramをチェック

Top image: © 2018 Etsu Moriyama
取材協力:群馬県
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。