桃好きマスト。邪魔になるほど果肉たっぷりなリキュールは、栃木・小山の鳳凰美田発。

生まれた時から桃に囲まれて育ち、毎年夏には周りが引くくらい桃を食べまくってきました(親戚が桃農家だったから)。そんな桃狂いの私の一意見ではありますが、桃好きのみんな、このリキュール、絶対飲んだ方がいいよ。

なぜかってまずは果肉。果肉がすごい。

 

「飲んでる時に、邪魔だなって思うくらい果肉入ってますよ」

 

って栃木県小山市にある醸造元、小林酒造の小林正樹専務も言ってしまうほどに、果肉たっぷり。桃好きは絶対、いちご好きもメロン好きも果物好きは試しに一度飲んでみることをオススメします。

夏は、かき氷にかけても美味しいよ!

リキュールのベースはなんと
人気銘柄「鳳凰美田」

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©2018 Etsu Moriyama
鳳凰美田 完熟もも(720ml、1500円+税)

「鳳凰美田」。日本酒があまり詳しくない人でも知ってるこの人気銘柄の、吟醸酒を使った果実リキュール。

これだけ聞いただけでも私ならすでに買い物かごに入れてるけれど、実際の飲み口はどうなのよって、お酒好きや特に果実酒好きは気になるところ。

それは、フルーティー、というよりジューシィ〜。なんなら、桃。そう、桃そのもの。なんとなく風味だけ、みたいな果実酒とは全く別次元のお酒。この感動の飲み口が実現できたのは、「単細胞化」という技術の賜物なのだとか。

果物を潰さない。
細胞をバラバラにするだけ

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©2018 Etsu Moriyama

“単細胞化技術”とは、栃木県内にある雄都(ゆうと)水産という企業が特許を取得した技術で、野菜や果物など素材の細胞を一つ一つ壊さずに、分離させるというもの。

理系っぽいワードの羅列に「うっ……」ってなってるそこのアナタ、全然難しい話ではありませんので最後まであきらめずに読んでください。

 

「通常、果物を使ったお酒は、果物を潰し、細胞が崩れることで香りや味を出したりするんです。でも、細胞が潰れると同時に酸化や劣化も始まってしまうんですね。そこでこの技術というわけ」

 

細胞と細胞をくっつけているものを、酵素の力を使って外しているので、見た目は潰した感じですが、実際は細胞の一つ一つがバラバラになってるだけ。そうして処理した果実を原材料にしているというのが、この商品のミソなのです。

 

そしてこの単細胞化技術を使って作った、もう一つのすんごいお酒がこれ。

このいちご酒、本当に
手に入りません(泣)

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©2018 Etsu Moriyama
鳳凰美田 いちご酒(500ml、1400円+税)

冬季限定の「いちご」。こちらも、鳳凰美田の吟醸酒をベースに、単細胞化技術で処理した栃木県産のいちごと、乳製品をブレンド。それって、いうなればいちごミルク。もう、美味しい想像しかできないやつ……(涙目)。

さらにミルクで割っても美味しいなんて聞いたもんで、ということは、ヨーグルトこれどうなのよ、って思ってしまって。やりました。

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©2018 Etsu Moriyama

はい、最高。

飲みやすいのはドリンクタイプだけど、あえてのプレーンヨーグルトといちご酒を半々くらいで作ってみたら、まるでデザートの仕上がりに。我ながら想像を上回る出来栄えで、思わず「フォ!!」って言いました。

でもね、これ、本当に入手困難。毎年11月頃から3月頃まで、小山市内の数店舗の酒屋さんや全国の正規特約店のみで入手できるのですが、発売してもすぐなくなってしまうそうなので、気になった方は是非今年の冬、早めに小山に行く予定を組んでおいてください(詳細は小林酒造の方へお問い合わせくださいませ)。

どのお酒も
ご縁から生まれてきた

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©2018 Etsu Moriyama
左/鳳凰美田 芳醇あんず酒(1.8L、2600円+税、500ml売りもあり)、真ん中右/鳳凰美田 ゆず酒(1.8L、2800円+税、500ml売りもあり)、右/鳳凰美田 熟成秘蔵梅原酒(1.8L、2800円+税、500mlのものもあり)

「もともと、“果実感がすごいお酒を作りたい!”っていうゴールが先にあったわけではないんですよ。いただいた材料の中で、何を作っていくかを考えた結果、これらのお酒が出来上がったという感じです」

 

いちごも桃も、これはいいなと思えるお酒がないとは思っていたものの、劣化の速さという原材料の懸念もあり、手を出さずにいたんだとか。でも、ある時、単細胞化という技術に出会い、そのご縁の中で、いざなわれるままに商品が出来上がったのだそう。

 

「技術にしても原材料にしても、そして人材にしても、うちはご縁に恵まれているなぁと思います」

 

と、正樹専務。

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©2018 Etsu Moriyama

「渡良瀬遊水地にあんずの里っていうところがあるんです。堤防沿いに1キロ位に渡って、あんずの木が植えられていて、村おこしの一貫でここのあんずを活用しようよっていう動きがあったんです。近くにいた親戚にも勧められて、このあんずを使ったお酒をやってみようとなったのが、うちの果実酒のスタート」

 

あんず酒の次が梅酒。栃木県の梅生産量が全国5番目くらいだったのでやってみようと。そして、生産量の多い栃木県産のゆずを使ったゆず酒が続きました。

 

「自然といろんな人が来てくれたり話をもらったり。そのご縁の中で、ちょっと踏み込んで話をすると、可能性が見えてくる。それをプラスしたり掛け合わせたりしてみると、そのマッチング、ペアリングがうまくいくんです」

 

あんず酒、梅酒、ゆず酒。実はこちらも桃やいちごに負けず劣らずの実力派揃い!

見えないところへのこだわり
は必ず商品に表れる

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©2018 Etsu Moriyama

普段一般の方には公開していませんが、特別に蔵見学もさせていただきました。

とてもいい香りの麹室や、全てのお酒の仕込みに使われる、徹底した温度管理のされた冷却タンクの数々。ラベルの一部を全て手作業で貼っていること、大きい会社だとラインに流れて行われることが多い「火入れ(お酒を低温殺菌すること)」も瓶のままやるので、全て手作業だったり、瓶の洗浄など、品質管理の徹底ぶりも素晴らしかったです。まさに、どこを取っても一流の酒造り。

また、鳳凰美田は特殊な流通をとっているのと、需要に供給が追いついていないため、現在のところは行き先が決まっていて、営業の心配をしなくてもいいのだとか。でも、

 

「その環境を与えてもらっているぶん、自分たちは圧倒的に商品と向き合う時間を長くとれるんです。だから、良いものができないといけない」

 

と言う正樹専務。その言葉には、小山を代表する酒造メーカーとしての誇り、そして責任を強く感じたわけです。

さらに、なにやらもうすぐ新しい原材料とのご縁もあるとか。蔵見学の説明も丁寧にしてくださった広報の岩橋さんが、小林酒造の未来を話してくださいました。でも、これだけの人気銘柄を生み続ける従業員さんは、現在わずか20名ほど。気さくな正樹専務のもと、ますます忙しくなりそうな予感です。

この人たちの作るお酒は
間違いないなって思いました

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©2018 Etsu Moriyama

どんな人たちがどんな思いを込めて作っているのか。

もちろん、お店でただ商品を手に取っただけの人には、そこまでは見えないのかもしれないけれど。きっと、伝わるものがあるんだと思います。

以前、小山市内の老舗居酒屋・いつもの処でお会いした常連さんが、こんなことを言っていました。

 

「東京とかでやっている日本酒フェアなんかで、鳳凰美田を見かけることがあるんだけどさ、“栃木の酒”って紹介が書いてあるんだよ。でもさ、俺はこう書いて欲しいんだ」

 

“小山の酒”、ってさ。

 

小山駅前のカフェ・フジヌマには、

 

「明日じーちゃんの誕生日だから鳳凰美田買って帰ろっと」

 

なんて言っている若者もいました。

今や日本中で愛されるトップブランド、小林酒造のお酒は、それ以前に、地元小山でとっても愛されています。

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©2018 Etsu Moriyama
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小林酒造
住所:栃木県小山市卒島743
TEL:0285-37-0005
営業時間:8:00〜17:00
定休日:土曜日、日曜日
公式SNS:Instagram
*小林酒造では、小売販売や蔵見学は行われておりません。商品購入などは上記の電話番号までお問い合わせください。

Top Photo©️2018 Etsu Moriyama
取材協力:小山市
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