【千葉県】復活した成田山の名産品、「てっぽう漬け」がうまい

千葉県成田市といえば真言宗智山派の大本山「成田山新勝寺」があり、関東だけでなく全国からたくさんの参拝者が訪れます。

その成田山のお土産品として大人気なのが「てっぽう漬け」。でも実はこのてっぽう漬けに使われている成田産の白瓜(しろうり)には、一度完全に生産できなくなってしまった過去があったのです。

歯ごたえが忘れられない
千葉の「てっぽう漬け」

©2018 Makoto Kujiraoka

成田市では古くから多くの農地が白瓜を生産しており、てっぽう漬けが作られていました。ところが昭和40年代に成田国際空港の開発が進むと、白瓜を作っていた農地はどんどん減っていき、結果として成田市では一度白瓜の生産が完全に途絶えてしまったのです。

現在、てっぽう漬けの多くには外国産の白瓜が使われたり、代わりにきゅうりを使ったものも作られています。しかし、外国産の白瓜には国産のような歯ごたえのある食感がなく、てっぽう漬け本来のおいしさは再現できませんでした。

そんな現状を憂いたJA成田市と地元の漬物業者さんが立ち上がり、再び成田市で白瓜の生産を始めたのです。昔に比べればまだ生産量は多くないそうですが、成田山新勝寺へ続く表参道では、この国産の白瓜を使ったてっぽう漬けをお土産として買って帰る人が多く、成田山の名物のひとつになっています。

甘じょっぱさがクセになる
ご飯やお茶漬けのお供

©2018 Makoto Kujiraoka

てっぽう漬けは白瓜の真ん中の種の部分を切り抜き、そこにシソを巻いた青唐辛子を入れ、お醤油やみりんで漬けたもの。カリカリした国産白瓜の食感とシソの爽やかな風味、青唐辛子のピリッとした辛味を同時に楽しむことができ、ご飯やお茶漬けとの相性は最高です。

さらに、青唐辛子の辛さが苦手な子どもでも食べやすいように、シソと青唐辛子が入っていない、中身が空洞のものも販売されています。

気になる名前の由来ですが、その見た目から来ています。周りの白瓜の部分を鉄砲の筒に、中の青唐辛子を弾丸に見立てているわけですね。同じように白瓜の中に野菜を入れた漬物として、岩手の「金婚漬け」や三重の「養肝漬け」なども有名です。

©2018 Makoto Kujiraoka

購入は、ちば醤油より。

Top image: © Makoto Kujiraoka
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