【沖縄県】しまんちゅのおにぎりの具といえば、あぶら味噌「みそのこ」
沖縄でおにぎりの具といえば、「みそのこ」が定番。
「みそのこ」とは、豚肉の脂と味噌を炒めたなめ味噌のことで、冷蔵庫で保存すれば半年は保つ保存食です。この「みそのこ」は沖縄で、あぶら味噌(アンダンスー)とも言われ、アンダはアブラ、ンスーはミソ。
かつてはどの家庭にも常備されていたほど、沖縄に浸透しているご飯のお供なんです。
沖縄では
豚は鳴き声以外、全部食べる
©2018 Makoto Kujiraoka
沖縄料理に欠かせない、豚肉。昔から豚は「鳴き声以外は全部食べられる」と言われていて、様々な料理に変身します。
例えば……
頭→「チラガー」コリコリ食感の燻製
耳→「ミミガー」茹でたり蒸したり千切りにして味付けをしたおつまみ
肉→「ラフテー」泡盛で煮たトロトロ角煮
肋骨&肉→「ソーキ」骨つきアバラ肉(スペアリブ)
足→「テビチ」コラーゲンたっぷりの煮込み
尾→炒めもの
皮や脂→ラード
心臓→サラダなど
肝臓→スープや研究用
その他内臓→中身汁
睾丸や乳房→煮物
血液→野菜と肉を血で炒めた「チーイリチャー」
骨→出汁を料理に使用
などなど。
沖縄の有名ブランド豚
アグーでつくる「みそのこ」
©2018 Makoto Kujiraoka
島豚の歴史は1372年、室町時代にまで遡ります。
中国からの500人ほどの使節団が沖縄に滞在するにあたり、1日に20頭ほどの豚が必要でした。長い時には8ヶ月ほど滞在していたので、多くの豚を育てる必要があったそうです。そのときに中国から連れて来られ、沖縄で飼い続けられたのが「島豚(アグー)」です。
アグーの肉は脂が多めなのですが、他の豚脂と比較するとコレステロールが4分の1ほどと、上質です。そんな脂をじっくり絡めた「みそのこ」をご飯にちょんと乗せていただきましょう。豚肉の香りと甘みが口のなかに広がり、味噌がご飯を誘います。
©2018 Makoto Kujiraoka
購入は、みそのこ食品より。
Top image: © Makoto Kujiraoka