デリカシーのあるシシケバブ@練馬

ケバブと聞いてドネル(回転式)のファストフードをイメージする人は多い。けれど、ガツンと串刺しの塊肉は専門店で味わってこそ。シシケバブはトルコ料理の醍醐味だ。

肉汁したたる赤肉や香ばしく焼いた若鶏ならば、どんな専門店でも味わえる。紹介したいのは練馬「ドルジャマフセン」。ここでしか味わえない驚きのシシがある。

「ドルジャマフセン」

TEL:03-3992-2030
営業時間:17:00〜L.O.23:30(日曜日のみ21:30)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日休)
HP:https://doluca-mahsen.com/

出会えるかは運次第
子ひつじのハツ

©2019 HIROMU INOUE

「ラムハツのチョプシシ」 1800円(税込)

串に刺さるのは北海道産の子ひつじの心臓(ハツ)。レバーですら珍しいところ、ハツをケバブで提供する。奇をてらってのものじゃない。れっきとしたトルコ庶民の味。炉端焼き店(オジャクバシュ)の定番ケバブだ。

鮮度が勝負なだけに、専門店とてなかなか手を出しづらい代物だそうだが、それが名物料理というのだから、この事実だけでもう何をオーダしても間違いなし。では?

臭みのなさがその証。香辛料まみれといった印象もない。上品な焼き鳥の塩加減のごとく、デリカシーのある味がする。ただし、ありつけるかどうかは運次第。なにせ手に入ったときのみのメニューだから。

圧巻はトルコ式の食べ方。

ラムハツの下に敷かれたエキメキ(トルコの薄いパン)を手のひらに取り、熱々のハツを握るようにして串から抜く。ハツから出た旨みエキスは残らずエキメキがキャッチしてくれる。最後に皿をきれいに拭き取るよりも効率がいい。玉ねぎのサラダも一緒にはさめば適度な辛味にワインが進む進む。

こちらも、目が覚めるほどウマイ

©2019 HIROMU INOUE

一人前からも楽しめる「前菜4種のミニメゼ」1250円(税込)

©2019 HIROMU INOUE

揚げナスに煮込み野菜を詰めた冷製「イマムバユルドゥ」850円(税込)

ちなみに、豊富な野菜料理も外せない。小皿のメゼ(前菜)をアペタイザーにしたり、豆を使ったサラダや冷製をつまみにワインを飲むのもいい。本来はこのあとケバブが正統派スタイルだけど、ベジタリアンでもトルコ料理は十二分に楽しめる。

圧巻は、長ネギをオリーブオイルで煮込んだ「プラサ」。すき焼きでくたくたになったネギに通づる食感が心地いい。もちろん味付けは別物だけど、ネギの甘さが口内に炸裂する。

和食に慣れ親しんだ舌が、トルコ料理に通底する“素材の旨み”をなんなく受け入れる。だからだろう、初体験でも懐かしさを覚えてしまう。

仄暗い照明に理由あり

©2019 HIROMU INOUE
©2019 HIROMU INOUE

ところで、この店の照明は驚くほど暗い。

モザイクランプから漏れる生めいた水彩色が壁を照らすほかは、目立った明かりがほとんどない。ついでに壁にツタが絡まっていたり、スチームパンクな配管がテーブルから伸びていたりする。

言うまでもなく、すべてが演出。
オスマン帝国時代、禁酒政策に反対した庶民たちは使われなくなった酒蔵の地下でこっそり酒を楽しんだ。「マフセン」とは地下酒場やワインセラーの意。穴ぐらのような仄暗いドルジャマフセンは、500年以上前のトルコの地下に通じている。

©©2019 HIROMU INOUE
Top image: © 2019 HIROMU INOUE

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