国籍を持たない子どもが集う場所――マレーシアの小学校
ここで紹介する小学校があるのは、マレーシア。とは言ってもクアラルンプールなどがあるマレー半島ではなく、ボルネオ島北部のコタキナバルが属するサバ州に位置しています。「Etania Green School」という名前で、国籍を持たない子どもたちのための小学校です。
地理的にインドネシアからの不法移民が多く、彼らはマレーシア国民だと認められていないため、小学校に通うのが難しいのです。
でも、国境を越えたことに無関係な子どもが勉強できないのはおかしい。
そこで、誰もが勉強ができる場所を創りだすために、小学校を建設しました。協力したのは、ホームレスの人々を助けているNPO「billionBricks」とインドに拠点を置く建築事務所「Architecture BRIO」。ちなみに、大元のプロジェクトにはハーバード・ビジネス・スクールも関わっています。
小学校の真横に氾濫しやすい川もあることから、地上部分は水が通り抜けるような設計に。子どもたちは2階で勉強をします。これで安全は確保できるってわけです。
教育へのアクセスは平等であるべきだ。社会的地位なんて気にもかけない想いが伝わってくるマレーシアの小学校です。
Top image: © 2019 Fernando GomuLya