上半身だけで主張するエプロン。手がけたのはVAINL ARCHIVE!

味、サービス、雰囲気、客層……お店の価値をそれだけで決めてもらっちゃ困る。街は百花繚乱、目を奪われるエプロンだらけ。わざわざ店まで足を運ぶ価値はここにだってある。

というわけで、働く人たちのアガるエプロンをじっくり拝見。ついでに教えて!そのエプロンどこのですか?

©YUJI IMAI

hello! from GOOD MEALS SHOP
バリスタのやる気を引き出す一着

都心のコーヒースタンドの中にはとんでもなく小さな店舗があるが、渋谷区神南のhello! from GOOD MEALS SHOPもかなりのもの。カウンターの小窓からはバリスタ荻原将司さんの上半身だけが見える。だが、エプロンは十分すぎるほど主張している。

剣先にかけて長めに残した首紐はレザー。素材のやらかさが伝わってくる濃紺の胸当て。表地に配した真っ白いタグもいいアクセントになっている。このエプロン、ドメスティックブランドVAINL ARCHIVEとのコラボで生まれた代物。GOOD MEALS SHOP二子玉川店のオープンに合わせて製作されたもの。

「デザイナー大北幸平さんのものづくりに対する実直な姿勢や取り組みかたに、ウチのオーナーが共感したと聞いています。この人ならば自分たちが働く環境になじむ、おしゃれな作業着をつくってくれるんじゃないかって」。

プライベートでもVAINL ARCHIVEに袖を通す萩原さん。大好きなブランドのエプロンを仕事でも身につけられる。それが彼のモチベーションにもなっていた。

エプロンに合わせて
ファッションを考える

©YUJI IMAI
©YUJI IMAI

リネン混紡の生地はやわらかく軽量。これなら首紐がレザーでも、かかる負担は大きくはない。いや、首に多少負担があったとしても、この微妙に長め残しのレザーがリネン特有の質感の良さにエッジを立てているようで、とにかくかっこいい。

「ありそうでないもの」をコンセプトにおくVAINL ARCHIVEらしく、過度な装飾がなくとも主張するところはちゃんと主張する。ゆえに、どんな服にも合わせやすいと萩原さん。

「自分の中ではネクタイと一緒で、胸当てのエプロンでビシッとキメたい。コーヒーショップといえどラフになりすぎるのはダメだと思うんです」。

単なるファンというだけでなく、エプロンを知る人間の実感のこもった言葉だ。

カウンターに対峙するお客にも、少なからず伝わるものがあるんだろう。ドリップが落ちきるまでのわずかな時間、お客との何気ないやり取りのなかで自分が愛するブランドやエプロンに話題が至るときがある。「YES!」萩原さんが心の中で拳を握る瞬間だ。

©YUJI IMAI
©YUJI IMAI
©YUJI IMAI

VAINL ARCHIVE
デザイナー大北幸平によって2009年に誕生したアパレルブランド。実力派東京ブランドとして支持され、近年は海外ブランドとのコラボレーションを積極的に行う。

取材協力:hello! from GOOD MEAL SHOP

Top image: © YUJI IMAI
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。