絶景マニアの憧れの地「マルーンベルズ」の魅力をレポート!
世界には「絶景」と呼ばれる場所が数多く存在します。そんな無数にある素晴らしい景色のなかでも“SNSにもっとも多くの写真がアップされたスポット”として絶景マニアたちの心を掴んで離さない場所......それが、アメリカ人が愛する山「マルーンベルズ」なんです。
「絶景」と共に楽しみたい
魅力溢れる街・アスペン
「マルーンベルズ」は、さまざまなガイドブックで「北米大陸でもっとも写真に撮られた場所」と紹介されている山。麓のマルーン湖畔から望む雄大な姿は、日本旅行業協会が「アメリカ大陸 記憶に刻まれる風景30選」に選定したほどです。
ウユニ塩湖やマチュピチュ、グランドキャニオンなどと肩を並べる絶景というだけでも、そのすごさが伝わるかもしれません。
マルーンベルズの最寄りの街は、車で30分ほどのところにある「アスペン」。全米屈指の高級リゾート地として有名なので、せっかくなら立ち寄って、多くのセレブを虜にする素敵な雰囲気も味わっておきましょう。
アスペンは19世紀末に銀採掘で栄えましたが、生産量が減ったことで衰退。しかし、1950年に国際スキー連盟の世界選手権が開催され、そこから徐々にスキーリゾートとしての地位を確立しました。
今では、世界中からスキーヤーが集まる高級リゾートへと発展。クリスマスシーズンは、ハリウッドスターやセレブも足を運ぶとのことです。
高級リゾートだけあり、町中には「グッチ」や「プラダ」、「モンクレール」「バーバリー」「フェンディ」などのハイブランドがショップを構えています。
1880年代の建造物もきれいに保全されており、1885年に建てられたプラダのビルはこの街に住む人たちの“誇り”なのだとか。
また、アメリカ中からアスペンに観光客が訪れる理由のひとつとして、古き良きウエスタン文化が残っていることが挙げられます。
事実、街中には今でも馬をつなぐポールを設置したお店も。なかでも有名なショップ「Kemo sabe」では、ウエスタンカルチャーにちなんださまざまなアイテムが販売されており、二階にはカウガールが接客してくれるバーも設置されています。
“映える”こと確実!
絶景ファンが夢見る憧れの地
アスペンから車で30分ほどの距離にある「ホワイトリバー国立公園」のマルーン湖畔。その場所こそが「北米大陸でもっとも写真に撮られた場所」であるマルーンベルズをもっとも美しく画面に収めることのできるベストスポットです。
マルーン湖畔はマルーンベルズの麓に位置しますが、それでも標高は2800メートル以上と決して低くはないので、高山病にはくれぐれもご注意を。
マルーンベルズの名前は、その色と形に由来しています。
「マルーン」は「赤」、「ベルズ」は牛がつける「カウベル」を意味し、「赤い岩肌のカウベルのようなフォルムの山」……で「マルーンベルズ」。ちなみに「ベルズ」と複数形なのは、ふたつの頂からなる双耳峰(そうじほう)だからだそうです。
ちなみに、アメリカ人がマルーンベルズに惹かれる理由は“アメリカ人が好きな色がすべて入っているから”といわれています。
空のブルー、残雪のホワイト、アスペンツリー(ポプラ系の広葉樹)のライムグリーンや紅葉のイエロー、松のダークグリーン、マルーン湖の透明なブルーといった色味に美しさを感じるのだとか。
風景だけで満足できない人には、トレッキングもオススメです。アスペンツリーからの木漏れ日を浴びつつ森をいけば、ムース(ヘラジカ)をはじめとした珍しい野生動物に出会えるかもしれません。
アメリカ文化の力強さが
溢れる注目のイベント
アスペンとマルーンベルズを堪能したら、そこからほど近い町「スノーマス」にも足を伸ばすことをオススメします。
スノーマスは、アスペンからシャトルバスで15分ほどの距離。それでいて、ホテルなどはアスペンよりもリーズナブルです。スキーはもちろん、さまざまなアクティビティが充実しており、なかでもコロラド川を下るラフティングは高い人気を誇ります。
また、この街には、古き良きアメリカンスピリッツが溢れる注目のイベントが存在します。
そのイベントとは、6月~10月の毎週水曜日に開催される伝統のロデオ大会「スノーマス・ロデオ」。本物のカウボーイ&カウガールが集まり、ロデオや子牛の捕縛などをおこないます。
圧倒的なスピード感や力強さは、まるで西部劇のワンシーンを見ているよう。
アメリカ人が愛し、北米でもっとも写真に撮られた場所・マルーンベルズ。
その周辺には、日本人が知らない、アメリカの原風景が楽しめる街がありました。
アメリカ人が感じるカウボーイ文化や開拓時代は、日本では武士道や明治維新などに近い感覚なのでしょう。
訪日外国人観光客が京都や飛騨高山といった伝統的な場所に魅力や日本独自の文化を感じるように、日本人もアスペンやスノーマスを訪れ、マルーンベルズの風景を目にしたら、アメリカ文化の根底にある魅力や力強さに触れることができるかもしれません。
取材協力/コロラド州観光局
written by Tsukasa Sasabayashi