「東京の恋愛事情」30歳、NY出身、ゲイ、ファッションデザイナー

Lindsay Arakawa(荒川リンジー)

ハワイ出身の荒川リンジーです。以前はNYCに住んでRefinery29でSNSストラテジストとして働いてました。現在は東京に住み、SNSストラテジストとして働き、またアーティストとして創作活動をしています。犬が大好き。最近覚えた日本語は『ほんやくこんにゃく』。Instagram:@blindsaay

私がニューヨークを離れた大きな理由の一つが「マッチング文化」。3年間付き合ったパートナーと別れたとき、私はオンラインマッチングの流行に乗り遅れて、その世界観がまったく理解できなかった。

ニューヨークにいる間、真剣に恋人を探すために、少しずつマッチングアプリの世界に足を踏み入れていった。Tinder、OkCupid、Coffee Meets Bagel、Hinge……あらゆるマッチングアプリでプロフィールを作成した。何かアプリの名前を挙げてみてほしい。おそらくそのアプリにも私のプロフィールは載っているはず。

夕食や酒の席で友人たちとマッチングアプリの話をすると、たいてい同じような経験をしていた。

ニューヨークに住んでいたので、果てしない数の出会いがある気がしていたが、真剣なお付き合いを望んでいるような印象の人は一人もいなかった。あるいは単に私との真剣交際を望まなかっただけなのかもしれない。

どちらにせよ、ニューヨークでのマッチングアプリを通じた出会いは、心の準備ができていない私にとって挑戦だったのだ。

3年間付き合ったパートナーとの別れを経て、私はついに荷物をまとめて東京に行く決心をした。引っ越しを決めた時点では恋愛に対して何も期待しておらず、まったく違うものに挑戦できることに心躍らせていた。

現在、私はニューヨーク育ちの人と付き合っている。

最初は友達同士だったが、友情は恋愛へと発展し、今では1年以上の期間を一緒に過ごしている。それは運命だったのかもしれないが、私は親友のように感じられるパートナーを見つけられたことを幸運に感じた。

パートナーと付き合い始める前、私はほんの数回ではあるが東京でマッチングアプリを利用して出会いを求めた。Tinderをダウンロードし、数人の人と話をしたがそこから発展することはなかった。

アメリカでの自身の恋愛経験と、都市によって恋愛の始まり方が違う傾向があることを知ったことにより、自分の周りで起こることの複雑さや、ここ東京にいる仲間たち(特にミレニアル世代)の交際がどのようなものであるのか非常に興味をそそられた。

自身の視野を広げるために、そして、交際経験をよりオープンに話して共有することが出来るようになればいいなと思った。誰がどこでつながっているのか、わからないから!

私はできる限り友達や同年代の人たちと話して、多様な意見を集めて、彼らのデートの経験を知れたら面白いと思った。だからインタビューを始めたのだ。

Aさん
(30歳、NY出身、ゲイ、ファッションデザイナー)

 

──あなたのことを教えてください。

 

僕は30歳でアメリカ出身のファッションデザイナー。アメリカと日本の大学に通い、東京に来る前は、約7年間ニューヨークに住んでいました。

 

──どれくらい日本に住んでいるのですか?なぜ日本に?

 

2年。ニューヨークでのワークライフバランスに少し疲れたので日本に来ました。ニューヨークは、家賃や食事など、住むには何もかもが高すぎた。マッチング文化にもあまり興味がなかったですし。

 

──過去の恋愛と比べて現在の恋愛はどうですか?

 

大学を出るまで、デートをしたことがなかったんです。ずっと小さな町に住んでいて、目立っていたのはほんの数人。

大学2年のころ地元のワシントンD.C.には付き合っている男性がいたけれど、1年ほどしか続かなかった。大学を卒業してすぐにニューヨークに移り、マッチングアプリを始めたんです。

 

──あなたはどのようなデートをすることが多いですか?夕食を食べてお酒を飲む?それともビーチを散歩?

 

基本的には夕食を食べに行ってお酒を飲む。本当に、普通のデートですよ。

 

──どのようにして新しい出会いを探している?

 

二丁目のようなゲイエリアに行くタイプではないので、アプリを利用してます。

 

──あなたにとって理想のパートナーとは?どんな要素が一番大切?

 

やる気とモチベーションのある人。アメリカとは違って、日本にはいろんな仕事があるので、なんとか生きていくことはできる。それが悪いことだとは思わないけど、多くの人が人生に対して無関心になり、将来の夢や希望を追い求めていないように僕には見えるんです。

私は同い年、もしくは年上の男性と付き合ってきました。彼らが社会人として働き始めたのはつい最近のこと。西海岸側の人と比べてキャリアに関してはかなり遅れている。正直に言って、彼らはまったく魅力的ではなかった。

パートナーが金持ちであることは求めないけれど、自分自身を突き動かす“何か”は持っていてほしいなと思いますね。

 

──これまでの東京でのデートはどういったものでしたか?

 

ニューヨークの時と非常に似ているともいえるし、同時に非常に異なっているともいえます。

日本人で私がよく出会う男性のタイプは、海外に住んでいた経験があり、欧米風のデートの誘い方に慣れていて、外国人とデートするのを好む人。こういった男性はだいたい英語が話せるし、特に気にならない。

別のタイプで言えば、英語は話せないかもしれないけれど、様々な理由で外国人とデートしたがる人。彼らとは会話の中でとても早く、簡単に打ち解けることができる。

彼らは実際には似ていないアメリカの有名人にあなたが似ているとか、外国人の元カレの話、将来海外に住んだらどうするかなどを話したり、英語の文法について質問を始めたりする。

他の男性からのメッセージの内容がよくわからないからと、私に見せてくる男性もいた。こういった男性は、文字通り一人の人として見ておらず、英語教師だと思っている最悪のパターン。

最後に、日本人男性の中には、外国人と付き合った経験がなく、デートに行ったことすらない人がいる。英語も話せない。正直なところ、このタイプの男性は他の人と同じように扱ってくれるため、一番いいパターン

個人的に、日本にいる外国人の大多数はアメリカにいればたぶん付き合わないだろうと思うような人ばかりなので、選択肢は狭い。

 

──東京でデートをしたときに心に残った特別な経験はありますか?

 

特別な経験というわけではないけれど、一般的な日本人男性は、欧米では考えられないほど初めてのデートで多くのことを伝えようとする。以前、「自分にとって一番大事な存在は家族だから、彼氏が血縁者ほど大事な存在になることはないだろう」と私に話した人がいた。

初対面の人にそんなことを言うなんて、すごく変だと私は思った。西洋人の多くは、大切な人のこと(恋人も)を家族みたいなものだと考えていると私は思う。

 

──東京とニューヨークでデートをするうえで、もっとも大きな違いは何ですか?

 

ニューヨークでは、浮気がとても当たり前のことのようになっていて、それが話題にならないこと。最近ニューヨークではだれもがオープンな関係のよう。

もし複数の人と関係を持ちたいなら、こっそりやるんじゃなくて、声にだし、伝えるべきで、慣れてしまうのなんておかしい。僕は他の人と寝る男性を決して信用しない。

それがどちらの都市でも、誰もが何かに責任を持とうとしないように見える意味では同じ。誰もがより良い相手を探すので、落ち着こうというつもりがありません。

私が思うもっとも大きな違いはゲイ文化。

ニューヨーク(一般的に欧米)では、日々の生活でゲイとして出歩き、過ごすことができる。日本でゲイということを公表している男性はとても少数で、関係は常にある程度秘密にすることになる。

僕は彼氏がいることはもちろん、ゲイであることを家族に打ち明けている男性を何人か知っている。中には職場や友人全員に打ち明けている人もいますよ。

Top image: © 2020 NEW STANDARD
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