「ゲイの祭典」がアジア初開催へ

LGBT+によるスポーツ・文化の祭典である「ゲイゲームズ」。去る10月末、2022年の開催地に香港が選出されたことが発表された。

ワシントンDCやメキシコのグアダラハラが同じく候補に挙がっていたが、この決定で、同イベントがアジアで初めて開催されることになった。

と、ここまで書いておきながら、普段は聞き慣れない名前であるだけに、実際にどのようなことが行われるかなど、まずは少しおさらいから。

そもそも「ゲイゲームズ」って?

「ゲイゲームズ」は、1982年から4年に1度、夏季オリンピックの中間年に開催されている。性別や年齢や障害、さらには身体能力に関係なく、全ての人がスポーツ・文化を楽しむ機会を作ろうというもの。

2018年には、10回目となるゲイゲームズがパリで開催される。

来たるパリ大会では、水泳、陸上競技、バトミントン、ボクシングなど36種のスポーツが行われる予定。

公式HPによると、誰でも参加可能だとしているが、年齢制限やチーム競技に登録する際の人数など、最低限のルールは競技ごとに設けられている。

香港での開催
経済効果は「約145億円」

「ゲイゲームズ」について、まだピンとこなくても大丈夫。来年のパリ大会でのスポーツ競技の参加予定人数は、およそ15,000人。規模としてはまだ大きいとは言い切れない。

ただ、アジア初開催に加え、日本から5時間足らずで行ける香港となれば、これまで以上に同イベントやLGBT+コミュニティーを意識する機会が増えるのでは。

香港大会ではこれまでのイベント内容を踏襲して、スポーツの他に文化面でも盛り上がることだろう。公式HPでは、オーケストラ、合唱団、チアリーディング、映画などを予定していると既に発表済み。

観覧はもちろん誰でもWelcomeということで、既に訪れたことがある人もそうでない人も、香港をより深く堪能できる機会にもなりそう。

主催者側は、「ゲイゲームズ」開催に伴い4万人ほどの集客を見込んでいる。最大10億HKドル(約145億円)もの経済効果になるとか。

今回のニュースを聞いて、初のアジア開催を嬉しく思うのと同時に、日本はさらに遅れをとってしまったように感じている。なぜなら、現時点でどの国や地域も同性婚を法的に認めていないアジアで、LGBT+の人々による祭典を「初めて」開催するチャンスをも失ってしまったことになるから。こと同性婚に関しては、今年の春に話題となった台湾の例もあるので。

とはいえ、2022年に“レインボーパワー”が私達の近くまで押し寄せることになるのだから、その余波が日本にも来るかもしれない。その時は、悔しさを滲ませながらも快く受け止めたいものだ。そうすることで、「誰もが『受け入れられている』と安心できる社会」や「1人でも笑顔の人が増える社会」に、少なからず繋がると信じているから。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。