LGBTの象徴「レインボーフラッグ」が、史上初めて宇宙でかがけられた日
今年、新たにLGBTの人たちにとって歴史的な一日となった日がある。
毎年、世界各地で盛大に開催される性的マイノリティの権利と文化を讃える「プライド・パレード」からおよそ50日後のミルウォーキ。ここから、彼らを象徴するレインボーフラッグを乗せたバルーンが大気圏外へと上昇。史上初めて、宇宙空間に虹色のフラッグが掲げられた。
尊厳と権利運動の象徴
無重力空間にはためく
このプロジェクトを企画したのは、今年1月平和と自由の権利を求めて。南極に初めてレインボーフラッグを掲げたアメリカのNPO団体「Planning Peace」によるもの。今回のプランは高高度でも耐久力の強いバルーンのてっぺんに小型カメラとともにフラッグを設置し、地上からバルーンを飛ばそうというもの。
基本的人権を勝ち取るために闘っているLGBTの人たちの権利と、世界平和を祈って、虹色のフラッグを宇宙に掲げることがミッションだった。
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策は特段なにもなし。ただ、小さくなっていくバルーンを目で追い、送られてくる画像を見守るだけ。それでも、バルーンは勢いよく上昇を続ける。
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やがて、勢いよくはためいていたフラッグの動きがピタッと止んだ。大気圏の外に出たことを示している。ついに、フラッグは上空34,152メートルの宇宙へ。
「LGBTの人たちがおそれや不安を感じずに、自分らしく生きる社会であってほしい」とは、Planning Peace代表アーロン・ジャクソン氏の弁。
苦しい時、見上げる夜空に星が輝くように、あの空のずっと先にレインボーフラッグがあたたかく見守っている。独断でこれを実行したPlanning Peaceだが、彼らの真意をていねいに汲み取っていけば、LGBTの人たちへのエールはよく伝わってくる。
その後バルーンは破裂し、落下しながら大地に戻ってきた。地上を飛び立ってから約3時間。もしかしたら、宇宙空間に滞在した時間はほんの短い間だったのかもしれない。
だとしても、違いを認め多様性を尊重し合う人々の目には、無重力空間でピンと伸びきった虹のフラッグが、さぞや誇らしく映ったのではないだろうか。
2016年8月17日のことだった。
一部始終は2分弱の動画に収められている。