多様性を受け入れるはずのイベントで「差別」がおきている。

虹色に染まる、“プライド・パレード”。世界中の大都市で行われ、セクシャル・マイノリティ(LGBT+)の人たちが法的・社会的権利を求め、また差別をなくそうと訴えます。今や世間的な認知も広まりつつあるイベントですが、私たちが見落としている問題点も。

“多様性”を重んじる一大イベントでなぜ?

ロンドンのプライド・パレード委員会を内部を調査するの組織、The Independent Community Advisory Board (CAB)の報告によると、2017年度のパレードは、多様性に反した基準で参加拒否されているグループがいくつか存在していると発表。

主にマイノリティ人種(アフリカ系、アジア系など)のLGBT+グループ参加や交流を断っている事実と、バイセクシュアルのグループをもパレードの参加を拒否された模様。すなわち、若い白人のシス(身体的性別と自分の性同一性が一致した上で、社会的規範で生きている)で、ゲイな人たちでしか集めていないという指摘でした。

多様性を重んじるはずのイベントなのに現状は違った。CABの調査報告を目にした人々からは、マイノリティコミュニティであっても歓迎するべき、と強い主張が。CAB副議長でもあり、ロンドン市会議員Edward Lord OBE氏も以下のような声明を発表。

「この度のプライド委員会では、ダイバーシティ(多様性)の重要性を把握しきれていない上に、LGBT+の人たちの人種、性別、年齢、ハンディキャップ、そしてアイデンティティの関係性を理解していないことに、遺憾に思います」

ロンドンは、世界で最も多様性に富んだ都市と言われているなかで、なぜにこのような問題が発生してしまったのでしょう。

知らずと悩みもがく
バイセクシュアルの人たち

マイノリティ人種のLGBT+の人たちのコミュニティ内での差別などは、度々イシューとされていましたが、今回はバイセクシュアルの人たちの問題も表面化。

バイセクシュアルの人たちはコミュニティにも、一般社会にも馴染めないとの事実も明らかになっているなかで、バイセクシュアル人口は最も多いという事実も同時にあります。

例えば、2011年に行われたサンフランシスコ人権委員会の調査によると「自己認識しているバイセクシュアルの人たちはLGBTコミュニティの中で多数を占めている」と報告され、また2015年に実行されたイギリスのYouGovのアンケート調査によると、4割以上の若者たちはバイセクシュアルの経験があり、同性にも惹かれると回答。

このようにバイセクシュアルの人たちが多数占めているにも関わらず、LGBT+コミュニティ内からの“どちらかのチームにつかないとならない”というプレッシャーも。そのため、“バイセクシュアル”はいっときの迷いなのではないか…と悩んで苦しむ人もいるため、自己判断も難しいのかもしれません。

この度の問題を見て、私たちの考える“多様性”は流行りのバズワード以上に、深い課題があると気付かされます。一つのグループ内を垣間見ても、多くの問題が交差している現状が分かります。

「みんな違うからこそ受け入れ合う」とシンプルなメッセージであるのに、これほどまでに複雑になってしまうのは何故なのか、と根本から考え直してみたくなりました。

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