今さら聞けない「ペットナット」ってなんだ?

ここ数年、「オーガニックワイン」や「ビオワイン」「ヴァンナチュール」といった言葉を耳にする機会が増えてきました。化学肥料を使用しない、減農薬にこだわる、自然に配慮した農法で造られたワインたち。

こうした自然派ワインを好む人たちのあいだで注目されている、微発泡ワイン「ペットナット」を知っていますか?

「泡(スパークリング)ならどれも一緒」なんて思ったら大間違い。2021年、ペットナットがもっと身近になるよう、この記事でおさらいしていきましょう!

ペットナットとは…?

ペットナット「peter&paul」
©2020 NEW STANDARD

ペットナットとは、フランス語の「Petillant Naturel(ペティアン・ナチュレル)」の略称で、自然派微発泡ワインを指します。大別すればスパークリングの一種。では、一般的なスパークリングワインとの違いはどこにあるのか?

ストレスを感じさせない、自然に近い製法

スパークリングワインの製造方法には、いくつか種類があります。

フランスの「シャンパーニュ」をはじめ、イタリアの「フランチャコルタ」、スペインの「カヴァ」のような瓶内二次発酵法がそのひとつ。これらは、シャンパーニュ製法、あるいは伝統製法と呼ばれるもので、通常の製法で仕込んだワインをボトリングしたあと、酵母と糖分を加えることで、ボトル内で2度目のアルコール発酵を促す製法です。

これに対してペットナットの場合は、二次発酵をおこないません。発酵の途中でボトルへと移し、瓶内で完全発酵させて造ります。

また、糖度や味わいを調整するためリキュールで補う「ドサージュ」もおこなわず、スパークリングワインにできる酵母などの澱(おり)を取り除く「殿引き」もしません。極めてナチュラルな製法で仕上げる。それが“自然派”の所以です。

ペットナットのはじまり

ペットナットは、1990年代フランス・ロワール地方から始まったといわれています。最初に「ペティアン・ナチュレル」と称したのが、ロワールを代表する自然派ワインの醸造家、クリスチャン・ショサール(2012年没)。ワインの質やテロワールにこだわりつつも化学的な合成肥料、農薬、除草剤を一切使わないビオディナミ製法を早くから取り入れ、「よりナチュラルに」をモットーとした造り手です。

クラフトビールと同じように、「その場所から生まれた味」「その土地でないと味わえない」といったプレミア感を醸成し、自然派ワインのブレイクも相まり、欧米を中心に人気が一気に高まっていきました。

多様な味わいを生み出す
「造り手の個性」に着目

ペットナットを表現するには「個性豊か」というワードがしっくりきます。

赤、白、オレンジ、ロゼと、液色もぶどう品種もじつにさまざま。前述の通り発酵を瓶内で終わらせるため、澱(おり)による濁りがあるものや、味わいも辛口があれば、甘口のものも。どれだけ糖度を残すかは造り手の考え方次第。ゆえに、味も個性もそれぞれ

ともすると自由奔放なこの個性こそ、ペットナット最大の魅力ともいえるでしょう。とはいえ、「自然派だから」とエクスキューズが多いようでは、味の構成も崩れてしまいますよね。全般的にガス圧は低くフレッシュで、ほのかに甘いものが多い印象ですが、造り手の個性を味わう。そこにペットナットの楽しみを見出してみてください。

ペットナットは“王冠”に注目!

ペットナット王冠
©2020 NEW STANDARD

ペットナットといえば、王冠で栓をしているものが多くみられるのも特徴です。王冠で栓をすることで炭酸を閉じ込める点は、まさにビールのそれ。ガス圧が低く、弱発泡であることにも由来しています。

ちなみに、シャンパーニュのガス圧はおよそ5〜6気圧。一般的なスパークリングワインで3気圧ほど。これに対しペットナットは1〜3気圧ほど

エチケットもかわいい!

ペットナットエチケット
©2020 NEW STANDARD

自然派ワインにもいえることですが、ペットナットもエチケットのデザインがじつに多彩。空になったボトルをとっておきたくなるような、秀逸デザインなブランドがたくさん。はじめての1本に迷うようなときは、思いきって“ジャケ買い”という手もアリだと思いますよ。

「自然派ワイン」を扱う
ワイン専門店での購入がおすすめ

一般的なワインショップではあまりみかけないペットナットを購入するなら、自然派ワインを多く取り扱うショップを訪れてみてください。もちろん、通販サイトでも購入できますが、温度管理がしっかりした専門店がオススメです。

カジュアルなワインなので、料理もカジュアルに合わせるのがいちばん。揚げ物やバーガーなどと合わせてもOK。泡好きはもちろん、ナチュラルワインの入り口としてペットナットを試してみてはいかがですか?

Top image: © 2020 NEW STANDARD

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