彼女ができて、初めてセックスが「気持ちいい」と思えた——Sex&Life

この「Sex&Life」は、実話に基づいたセックスにまつわる物語を紹介する企画です。

わたしは28歳独身。すこし前までは、男性とばかり付き合ってカラダを重ねていた。だけど「気持ちいい」と思ったことは一度もなかった。

最近、初めて彼女ができた。そのセックスライフがとても充実している。

どの彼のことも好きじゃない。求めていたのは“異性の恋人がいる”というステータス

©Akari Kuramoto

自分のセクシャリティに気付いたのは10代の頃。だけど、なかなか受け入れられず、矯正しようと頑張っていた。

同調意識が強い性格もあり、「異性を好きにならなきゃ……」という想いがとても強かった。

ただ顔がタイプなだけ。恋愛感情があるとは決して言えない男性5人と付き合う。今思えば、どの彼のことも好きじゃなかった。求めていたのは彼ではない。異性の恋人がいるというステータスだったように思う。

ままならない気持ちでするセックスを楽しめるはずはなく、挿入はもってのほか、前戯すら心地悪く、キスが精一杯だった。

それでも彼らは求めてくる。

「性欲おばけだ」「早く終わんないかな〜」「わたしはヤるだけの相手?」

いつの間にか、恋人なのにベッドで一緒に寝ることも、夜を一緒に過ごすことすら億劫に。

期待に応えられない自分の不甲斐なさとともに、男性に対するネガティブな気持ちがどんどん募っていった。

日本から出て、自分のセクシャリティを愛せるようになった

©Akari Kuramoto

「好きだと思うから、行ってみてほしい」

ある時、同僚からすすめられて訪れたのはオーストラリア・メルボルン。3年前には同性婚が合法化されるなど、同性愛に寛容な街として有名だ。

実際、街中ではレインボーフラッグが掲げられていたり、当たり前に手をつないで歩く同性カップルがいたり、はたまた、宿泊先のホストが同性婚をしていたり……日本のセンシティブなそれとはまったく違うオープンな雰囲気が本当に心地よかった。

それからというもの、“自分探しの旅”じゃないけれど、ニューヨークやポートランド、デンマーク……おなじく同性愛に寛容な街へ度々旅にでかけた。

各地でふつうに暮らす素敵なレズビアンに出会い、「自分はそのままでいいんだ」と思えた。

日本から出て、自分のセクシャリティを愛せるようになった。

彼女ができた!人生もセックスも、いまがいちばん楽しい

©Akari Kuramoto

最近、友だちの紹介で知り合った女性と付き合いはじめた。はじめての彼女だ。「女性と付き合うってどんな感じ?」「どうやってセックスするの?」などと、最初はいろんな不安があった。

だけど、そんなことは無用なようだった。

相手にとってわたしは数人目の彼女。何もかもリードしてくれる。

ことセックスについては、「今日何食べる?」のような日常会話のひとつとして何気なく話し合っているし、そのうえで一緒に試行錯誤できるのが楽しい。

この間、はじめてセックスグッズを使った。それでわたしがオーガズムに達した時、「自分の舌とか指で気持ちよくなってくれる方がうれしい」と言ってふてくされていた姿を見て「かわいいな」と思った。

同性というのもあって、お互いのツボの理解が早い。

彼女と出会って、セックスをして、はじめてイクことの気持ちよさがわかった。

人生もセックスも、いまがいちばん楽しい。

Top image: © Akari Kuramoto
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。