デンマークから学ぶ!コロナ禍で注目の「samfundssind」という考え方
デンマークで誕生した「samfundssind」(サンファンドシンド)」という言葉をご存知だろうか。
「個人より社会全体を優先させる」という意味を持つこの言葉。メッテ・フレデリクセン首相が3月に演説でこの単語を使って以来、デンマークで頻繁に使われるようになったそう。
やや抽象的な言葉なため、どんな行動をsamfundssindとするかの解釈は、人それぞれ。しかしその根本にあるのは、自分よりも社会を優先するという、思いやりだ。
じつはデンマークは、福祉が充実しており汚職も少ないことから、政府や地域社会への人々からの信頼度が高い。ゆえに、国などから発せられるメッセージを素直に受け入れる態勢が整っており、積極的にマスク着用やソーシャルディスタンスを保ってきた。
実際、デンマークの新型コロナ感染者は、ほかのヨーロッパ諸国やアメリカと比べて少ない。多くの人が自分や家族だけではなく、コミュニティ全体について考えたことで、結果として大切な人を守ることにつながったのだ。
デンマークが「世界一幸せな国」といわれる理由も、このsamfundssindという考え方の影響なのかもしれない。
このsamfundssind、現在の危機を乗り越えるためだけではなく、豊かな人生を送るためにも活用できそうな思想といえるのではないだろうか。
Top image: © iStock.com/Chris Milne