デンマークで大切にされている「ヒュッゲ」ってなんのこと?
世界史の偉人や絵画の名前に出てきそうな「ヒュッゲ」という言葉。これは世界幸福度ランキング第2位(2020年度)のデンマーク人が生きる上で大切にしているライフスタイルや考え方のこと。
ここではヒュッゲの概念やヒュッゲを生活に取り入れるためのヒントを紹介しながら、「幸せ」について考えてみたい。
“ヒュッゲ”とは?
ヒュッゲとは、デンマークの言葉。「キャンドルの明かりやお菓子作り、家で家族と過ごす時間のようなものからくる心地よさや暖かさ」を意味している。(出典:Cambridge Dictionary)この言葉を日本語に直訳するのは難しいが、ほっこりとくつろぐ時間や、ゆったりと語り合う時間を大切にするのがデンマークスタイルなのだ。
デンマークと北欧諸国について
デンマークといえば、国連が発表する世界幸福度ランキングに毎年上位にランクインしている国の一つ。今年2020年のデータでは、第2位だった。
その理由は、デンマークの社会福祉制度体制によるところが大きい。この制度は国民に課せられている高い税金によって支えられており、消費税はなんと25%。しかし、それでも国民が幸福であるというのには、それだけのメリットがこの社会制度にはあるということだ。
まず、デンマークでは教育にお金がかからない。大学までの学費は税金でまかなわれるのだ。さらに、高齢者への保証も充実しており、暮らしていくのに十分な保証を受け取ることができる。民間介護施設は禁止されており、必要に応じて行政組織がおこなうため介護費の心配も不要。
デンマークでは、日本人が一般的に抱いているような「大学に進学したら家族の負担になる......」「老後のお金を貯金しなくては......」といった心配事がない。今を生き生きと生きていけるのが幸せの秘訣であり、ヒュッゲのような心の幸福を大切する余裕を持った考え方に繋がっていると考えられる。
また、北欧といったら、スカンディナヴィア半島に位置するノルウェー、スウェーデン、フィンランドだ。これらの国もデンマークと同じように、世界幸福度ランキングで上位の常連であり、充実した社会制度を取り入れている国々である。
例えば、スウェーデンにはデンマークのヒュッゲと似ている「ラゴム」という考え方がある。これは「ほどほどに、適度に」といったことを大切にする考え方。こういった、余裕を感じさせるような考え方が国の幸福度を高めている一因といえるだろう。
さらに、フィンランド人7人に「幸せになるには?」と質問してみると、日本人があまり考えそうにない答えが返ってきたという。
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ヒュッゲを生活に取り入れるアイデア
ここからは具体的にヒュッゲの生活にみられるアイデアを紹介していく。実際にヒュッゲを生活に取り入れてく際のヒントになればと思う。
自然や緑に触れる
短い夏を大切に外で楽しむのがデンマークスタイル。散歩やピクニックなど家族や友人を誘って出かけてみよう。
また、お家の中に緑を取り入れてみるのもおすすめ。でも、手入れはめんどくさい......という人は「フェイクグリーン」を取り入れてみてはいかがだろうか。フェイクグリーンは毎日の世話を必要としないうえに、最近のものはよりリアルになっていて部屋の雰囲気を損ねることなく取り入れることが可能。日当たりのよくない部屋や、バスルームにも飾れるのはフェイクグリーンならでは。
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デンマーク人は人との時間を非常に大切にする。日々の家族との時間を大切にしながら、時には友人や近所の人を自宅に招きホームパーティをして、一緒にリラックスした時間を過ごす。こうした時に築いた繋がりも大切にして、何かあった時にもお互いに助け合っているそう。
時間を大切にする
また、「時間」に意識を向けてみることも、ヒュッゲへの一歩になるはず。デンマークでは19時、20時になるとほとんどの店が閉まってしまう。お店の人も時間を大切にするから夜にはお店を締めるし、お客さんも夜には家にいるからお店を開けておく必要もないのだ。
人生は一瞬の積み重ね。トラックの幌を再利用したバッグやファッションアイテムをつくるスイスのブランド「FRITAG(フライターグ)」の「グローバルハピネス執行副社長」は、幸せの定義について次のように語る。
“僕の中でのHappinessの定義は、人生におけるシンプルなことでさえも満足感を得られる状態。”
一瞬を大切にする彼の生き方から、日本人が幸せになるためのヒントが見つかるかも?
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リラックスできる空間作り
デンマークではキャンドルを灯してゆったりとした空間を演出するのが一般的。キャンドルの暖かな光やゆっくりと溶けていくのをじっくり時間を気にせず楽しむことで、リラックスした時間を過ごせる。また、IKEAをはじめ、北欧雑貨・インテリアが日本でも注目されている。シンプルだけどどこか暖かみのある北欧インテリアを自宅に取り入れて、心地よい空間をコーディネートしてみるのもおすすめ。
ワーク・ライフ・バランスをとる
デンマークは、日本が働き方改革の手本とするくらい、働く時間が短い。まして、残業なんてほぼないという。それは、決して仕事に対してネガティブな考えがあるからではなく、「社会に貢献したい」「好きなことをしたい」という仕事に対する積極的な気持ちやプライベートを重視する性格から、仕事が効率化された結果なのだ。日本で実践するには少し難しいところもあるかもしれないが、夜のプライベートの時間を生み出すために、早起きするところから始めてみてはいかがだろうか。