文字だらけのオーガニックな「マジックソープ」その理由を知ってますか?
平和と差別のない世界へ
ラベルに込めた想い
©株式会社ネイチャーズウェイ
1908年、「ドクターブロナー」創立者エマニュエル・ハイルブロナー(のちにドクター・ブロナーに改名)は、ドイツ系ユダヤ人のソープメーカーの3代目として生まれました。
ギルド制度の専門学校でソープづくりの認定を受けたのち、大学で科学の学位を取得したエマニュエルは、21歳で渡米。シカゴやミルウォーキーの石けんメーカーで科学者として勤め、いくつかの特許を取得します。
いつの日かドイツへと戻り、自社を継ぐ心づもりもあったかもしれません。けれど、時代は第二次世界大戦の真っ只中。ドイツ・ハイルブロンにあった家族経営のソープ工場はナチスに押収・国有化され、エマニュエルの両親はアウシュビッツ、テレージエンシュタットへと強制送還されたのち、殺害されてしまうのです。
宗教や民族への差別、そして両親の死——いつしかエマニュエルの心に、世界平和と差別を生まない社会実現を目指し“団結”を唱える「ALL-ONE」の灯火が熱くたぎるようになりました。
数奇な運命に翻弄されながらも、エマニュエルはアメリカでのソープづくりを続け、1948年カリフォルニアに「ドクターブロナー」を設立。今も代名詞であるペパーミントのリキッドソープの生産をスタートしました。
自身の体験を通して「ALL-ONE」ビジョンを掲げ、各地で講演おこないながらソープを配布したエマニュエル。けれど、品質の良いソープに興味は持つものの、話に耳を貸さず人々が立ち去ってしまうことに気づいた彼は、ボトルのラベルに自身の哲学を表記し、「ALL-ONE」を呼びかけるアイデアを思いつきます。
文字だらけの「マジックソープ」はこうして生まれたのです。デザインよりも優先すべきものがある。ラベルはエマニュエルの精神そのものだったのかもしれません。