露出は評価に関係ない。ドイツ女子体操選手「ユニタード」を披露
美しい体のラインと圧倒的な身体能力。体全体で表現するスポーツ、体操競技。
そんな体操競技のユニフォームといえば、レオタードが定番である。
しかし、ドイツチームに所属する女性選手が、これまでの体操界の常識を覆す、新たなユニフォーム姿を披露した。
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4月21日〜25日にかけて「2021 European Artistic Gymnastics Championships(第9回ヨーロッパ男子および女子体操個人選手権)」が開催され、ドイツチーム女子体操選手・Sarah Voss、 Elisabeth Seitz and Kim Buiが大会に参加し、驚きのユニフォームを披露したことで話題を呼んでいる。
その名も「ユニタード」。腕と脚を覆い隠し、ほとんど露出のない衣装だ。
従来の女子選手のレオタードは、全身にフィットするタイトな仕様で、ワンピース形やセパレーツ形などが存在し、腕や脚が広範囲で露出するものが一般的だった。
しかし、それに対して「体操競技とは、技の美しさ、競技そのものが評価されるべきであり、体のラインや露出が評価されるべきでない」という強い思いから、今回のユニタードの採用に至ったのだとか。
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また、露出が多い体操競技などのスポーツにおいて、性的被害に遭うケースも少なくなく、2018年にアメリカの女子体操選手が、当時のチームドクターから性的暴力を受けていたことを告白して大きな事件となった。
セクシャルハラスメントを撲滅する「#MeToo」運動が、スポーツ界でも起きている今、ユニタードの登場は、まさにこれからのスポーツ界の在り方を示す革命的な出来事といえるのかもしれない。
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