ようこそ、日本へ。58年前に誕生した「首都の足」
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
モノレールの日
2021年、コロナ禍で開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック」。
異例となる無観客での実施ではありましたが、競技結果や選手たちだけでなく、ITやロボットといった最新テクノロジーの活用、かつてないユニバーサルデザインの実現といった、さまざまなソリューションにも注目が集まりました。
オリンピックとは、スポーツの祭典であると同時に、その時代を代表する革新的な技術が集結する祭典でもあるのです。
ときは今から58年前の1964年、アジア初となる「東京オリンピック」が開催されました。
世界中から来日する選手や報道陣、観客のスムーズな移動のために、首都圏では新幹線や首都高、地下鉄などの整備が進められるなか、新たな交通インフラがデビューします。
「ひとつ」を意味する「mono」と「軌条」を差す「rail」を組み合わせた名称をもつ「モノレール」です。そして今日、9月17日は、東京の浜松町から羽田空港までの約13kmの区間をつなぐ「東京モノレール羽田線」が開業したことを祝う「モノレールの日」。
じつはこのモノレール、発展した都市部に新造するのに非常に適したものなんです。
車輌の構造的に高架が比較的簡単で、地表に接するのが支柱のみのため、地上線や地下鉄のように設置のための広い面積が不要。タイプによっては騒音が起きにくく、さらに急勾配にも対応できるのだとか。
開発当初、都市部の新たな足として話題になったモノレール。建設費用や運用コストなどから広く普及することはありませんでしたが、約60年前の今日、外国から訪れた多くの人が、これからはじまるオリンピック──“平和の祭典”に胸を踊らせながらモノレールに乗っていたことを思うと、なんだかノスタルジックな気持ちに浸れたり......。