10億人の子どもたちが「気候変動の犠牲になる」かもしれない

代償を払うのは、子どもたち——。

先月20日、ユニセフ(国連児童基金)は、世界の子どもたちの気候危機リスクをランキングした報告書「The Climate Crisis is a Child Rights Crisis」を発表。子どもの視点から気候危機を分析した初めてのレポートに世界中の大人たちは、現実を突きつけられることとなった。

なぜなら、10億人の子どもたちが非常に高いレベルの大気汚染のリスクにさらされているというのだから。

世界の子どもの総数がおおよそ22億人と言われている約半数が、気候変動に脆弱で「極めてリスクが高い」と分類された33か国で生活している。たとえば、中央アフリカ共和国、チャド、ナイジェリア、ギニアなど。

気候変動による影響はすでにこれらの国々を襲っており、子どもたちの健康、教育、保護がおびやかされ、命に関わる病気のリスクにもさらされている現状だ。

遠く離れた国のことかもしれない。脆弱性は今に始まったことじゃないかもしれない。それでも、先進国が生み出した温室効果ガスの排出が、世界のどこかで気候変動を発生させ、そこに暮らす子どもたちの未来を奪い去ろうとしている。これが現実。

報告書が明かした子どもの気候危機指数(CCRI)。そこに並ぶ数字に、我々は何をなすべきなのだろうか?

沿岸洪水のリスク(2億4000万人)
河川洪水のリスク(3億3000万人)
サイクロンのリスク(4億人)
病原媒介性疾患のリスク(6億人)
鉛汚染のリスク(8億1500万人)
熱波のリスク(8億2000万人)
水不足のリスク(9億2000万人)
非常に高いレベルの大気汚染リスク(10億人)

昨今の猛暑、大型台風、大雨による河川の氾濫や土砂災害……。リスクは決して対岸の火事ではない。

世界中のほぼすべての子どもが、気候・環境危機のうち少なくとも1つに直面しており、推定8億5000万人(世界の子どもの3人に1人)が、少なくとも4つが重なる地域で暮らしているという。

新型コロナウイルスも、気候変動も、SDGsだって、未来を担う子どもたちのためには待ったなしだ。

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