気候変動でエベレストがピンチ。登山はより困難になるかもしれない
世界最高峰エベレストの登山は、この世で最も困難なことの1つ。多くの人にとってそんなエベレストは無縁に思えるかもしれないが、じつは私たち人間の行動が登山をより困難なものにしてしまっている——。
なぜかというと、ベースキャンプを現在の位置から標高200〜300メートル低い場所へ移設する必要性が出てきたから。
気候変動や温暖化の影響でベースキャンプ付近にあるクンブ氷河が溶け、危険な状態らしい。
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じつは、エベレストの環境被害はほかにもある。学術誌『Nature Portfolio Journal』に掲載された論文によると、エベレストにあるサウスコル氷河は2000年かけて形成されたが、なんと25年ほどで融解してしまったとのこと。
これも同様に、気候変動が原因とされている。
なお、今回のベースキャンプ移設については、方針の決定までに2〜3年はかかるらしい。というのも、エベレストの調査は春にしか行えないため、調査結果をまとめるのに時間を要するんだとか。
だが、氷河の融解は方針の決定を待ってはくれないし、ベースキャンプの移設は一時的な措置でしかない。
エベレスト登山家たち、そしてエベレスト自体を守るためにも、世界が一体となって温暖化や気候変動に向き合う必要がある——。
Reference: Nepal may move Everest Base Camp
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