【研究結果】テレビCMの「BGM」が、ボクらの購買意欲を刺激していた

スポーツブランドのテレビCMの背景にバックグラウンドミュージック(BGM)を挿入すると、製品の広告がより効果的にユーザーの消費行動に反映することが研究で明らかになった。

結論から言えば、消費者の脳波に関係するらしい。

詳しく見ていこう。同研究を進めたテキサスA&M大学の教育・人間開発学部健康運動学科によれば、スポーツ広告を見ているときの消費者心理に対するBGMの影響を調べるため、実験を実施。

韓国のスポーツ用品メーカー「プロスペックス」が制作し、2012年に放映された2つのテレビ広告を使用。2010年のバンクーバーオリンピックで浅田真央とメダルを争ったフィギュアスケーター、キム・ヨナを起用した女性用ランニングシューズのCM。

一方はナレーションのみ、もう一方はフジロックにも出演経験のある韓国のロックバンド「Peppertones」の楽曲を背景にしたもの。

研究チームは、2つに分けた被験者らに対し定量脳波検査(QEEG検査)を実施。脳波が、脳のどの位置からどんなタイミングで、どのくらい出ているかを可視化する目的だ。

結果は、ナレーションだけのグループと比較し、BGMを聴いていたグループ方が感情的な高ぶりやブランドへのポジティブな意識、さらには購入意向が沸いたことが判明。さらに定量脳波の記録からも、感情をつかさどる前頭葉の脳波活動がBGMによってより活性化されていることもわかった。

「BGMあり」の方が、前頭葉領域がより活性化されたことから、音楽が感情の喚起を誘導することは証明されたわけだが、ブランドに対する意識や購入意欲は、脳波とは別問題だが……。

これらについては、アンケートベースでの回答だったそうだが、やはり「BGMあり」の被験者らに強く購買意欲が芽生えていることが分かったという。

「BGMがスポーツ広告において説得力のある効果を示す強力な証拠が得られた」と、Lee Hyun Woo助教授は自信をのぞかせるいっぽうで、すべてのBGMが効果的に働くわけではない、と一定の逃げ道も。

ただ、やはりランニング中の気分を高める楽曲があるように、リズムやテンポに紐づく疾走感ある音楽とスポーツのダイナミズムが容易に結びつくことは、実体験からもわからなくもない。

「新しい一足」への“ポチっ”も、BGMによってボクらは気付かぬうちに誘導されていたんじゃないだろうか?

Top image: © iStock.com/Dmitry Belyaev
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