「ピースシンボル」の「長い線と二本の短い線」の意味とは?

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

「ピースシンボル」が誕生した日

ヒッピーカルチャーをはじめ、そのムーブメントのもととなったベトナム戦争にまつわるニュースや映像作品、さまざまな平和を祈るデモや集会といった場、そして近年ではファッションや音楽、アートといったユースカルチャーなどのシーンで目にすることの多い「ピースシンボル(Peace Symbol)」。

「ピースマーク」や「ピースサイン」とも呼ばれる、円のなかに一本に長い線と短い二本の線で構成されたシンプルな構造のアイコンは、1958年の今日2月21日に誕生しました。

考案したのは、英・ロンドンのデザイナーであるジェラルド・ホルトム氏。当時、イギリスが実施していた核爆弾、水素爆弾の爆破実験に反対する英・組織「直接行動委員会(Direct Action Committee/DAC)」の集会で使用するために生み出されたマークでした。

「十字架をアレンジしたもの」「平和の象徴として知られる鳩の足を模したもの」など、デザインについてさまざまな説がありますが、じつはこれ、「手旗信号」(semaphore alphabet)をもとにしているそう。

左右に下向きに配された短い線は、手旗信号で両手を斜めに下ろした「N」を、そして縦に走る長い線は、右手を真上に、左手を下に振り下ろした「D(または4)」を表しており、組み合わさることで「ND」──つまりは「Nuclear Disarmament=核軍縮」という思いが込められているそうです。

その平和を願う思いが転じ、現在では元来の核廃絶に向けたアクションや反戦はもちろん、差別や偏見の解消、格差是正など、あらゆる平和を司るアイコンとして世界中で支持を受けているのです。

Top image: © iStock.com/Nikada
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