リスだけが知る、「冬と春」の境界線。
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
グラウンドホッグデー
(Groundhog Day)
「ネコが耳の後ろまで顔を洗っていたら、まもなく雨が降る」。
聞いたことあります?
湿気や気圧の変化に敏感なネコたちは、低気圧が近づいてくると湿気で重くなったヒゲや毛のお手入れをするそうです。だから、ネコか毛繕いしているときは雨の足音が聞こえてくる。とな。
生きものの行動や様子から天気の変化を予測する。自然現象(雲や霧の様子)もそうですが、こういった予測のことを観天望気(かんてんぼうき)と呼び、天気予報のない時代から人々は身の回りの出来事を頼りに天気の変化を予測していたんですよね。
「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」、「夕焼けがきれいに見えた翌日は晴れ」とかもね。
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さて、同じような観天望気はもちろん日本だけのものではありません。
たとえば、アメリカやカナダにも似たように生きものの行動から天気を予測(どうやら占いに近い)する風習がありまして……。
今日、2月2日「グラウンドホッグデー」がそれ。
まずはグラウンドホッグからご説明しますと、別名ウッドチャックとも呼ばれるマーモットの一種。つまりはリスです。
で、このグラウンドホッグを使ってなにを予測するかといえば、春の到来です。この日冬眠から目覚めたグラウンドホッグがどんな行動をするかで、その先の天気を占うわけです。
巣穴から出てきたとき自分の影に驚いて、また巣穴に戻ってしまえば冬がまだ続く(およそ6週間だそう)。逆に影を見ずに留まっていれば春の訪れはもうすぐ。という感じ。
その日の気温によりけりな気がしないでもないですが、グラウンドホッグの行動に人間が注目する、これがなかなかに一大イベントでして。
1887年より続く風習で、今では1万人近くの観客を集めるようで、なかでもペンシルベニア州中部の町パンクサトーニーでは、シルクハットに正装を決め込んだ地元「パンクサトーニー・グラウンドホッグ・クラブ」の会員たちが、リスのお告げを伝え、イベントを盛り上げているそうですよ。
なにぶん生きもの相手ですし、正確性を問うというよりは地域の風習としての要素が強いんでしょう。
あ〜、それにしても春恋し。